強いってなんだろう

 どうもこんにちはO3です。


 今までは話を作るうえでの話を続けてきましたが今回はもっと細かく踏み込んで、キャラクターというものにスポットを当てたいと思います。


 今回のテーマはこれです。


 強いキャラクターってなんだろう。


 強いと聞いてどんなものを思い浮かべましたか?


 色々あると思います。


 世間一般の言う強いといのは溢れてます。

 スポットはキャラクターなどの2次元だけにはならないですよね。スポーツ選手や将棋棋士も強いという単語を使える人々と言えます。


 ですが今回取り上げるのは戦闘能力としての強さです。ファンタジーにおいての醍醐味のひとつとして戦闘というものがあるでしょう。

 今回は魔法や剣術や体術は縛らず、ひっくるめての強さで行きたいと思います。


 大体は漫画とかのキャラクターを先に思いつくでしょう。ド○ゴンボールの私の戦闘力は53万ですって言う人とか、ワ○ピースのゴム人間とかね。

 物語の中でもこぞっての強者ですよね。


 もちろんこの他に最近現れた強さの定義、「チート」を思い浮かべた人もいるでしょう。


 そもそも「チート」とは何か。


 語源は多分英語のcheatですよね。意味は騙すとかイカサマをするとかです。

 いんちきするな!を英語で言うとDon'tcheat!ってなります。ゲームでもバグを利用した悪質なプレイをするユーザーをチーターと呼んだりしますね。


 で、ネット小説での意味合いのチートはこのまんまの意味合いも多少は含んでいるとは思われます。主人公が何らかの影響でこの世界において反則級の特殊能力などを手に入れてそれを使い活躍する

 それは強すぎてずるい!と思われるような能力で無双するってことです。


 このチートってのも今回のテーマに絡んできますね。ぶっちゃけこれが一番手っ取り早くキャラクターを強くする方法です。


 ただ、個人的にチートは好きじゃないです。


 良くチートとセットにされがちな異世界転生とかは読みますし普通に好きですよ。連載してるくらいだし。


 しかし、チートは基本読みません。企画でも基本ここは弾くくらいです。面白いのもいくつかのあるんでしょうがよっぽど引かれるものがなければ追っかけるにはこじつきません。

 唯一自分が面白いと感じたチートものはワ○パンマンくらいです。漫画だし。


 なんというか……ハッキリ言ってしまうとネット小説のチートを面白いと感じたことがあんまりないんです。

 基本戦闘は一瞬で終わるし、どんな敵相手にも無双。俺TUEEEEみたいな感じですよね。


 ワ○パンマンも戦闘は主人公がでれば一瞬で終わるし、どんな相手にも無双。ここまでは同じです。


 しかし、ここからが大きな違い。


 主人公が強くなりすぎたことを悲観しているのです。

 たしかに強くなりたくてめちゃくちゃ頑張ってここまで来た(ここも違う点と言えるでしょうね。完全無欠の努力型です)。だが強くなりすぎたせいで戦闘に張合いや緊張を感じなくなってしまった。


 恐らく、私がチートを面白くないと感じる理由がここにあるんですね。


 戦闘描写には色んなものが詰め込まれています。


 基本は互いの武器、使い方、技術の描写、それに加えて周りの様子やここまでに至った経緯、キャラクター同士の関係や心情。

 一口に戦闘描写といっても中を見てみるとかなり広く枝分かれしているんです。

 その中にもちろん戦闘での張合いや緊張も含まれます。命のやり取りとかいう言葉で表現できるでしょう。


 これを読み解いて読者に臨場感を味わって貰うのが戦闘描写の役目だと思っています。


 しかし、これがチートの話だとすると。


 武器の描写や使い方の表現は流石にあります。ですがその後は全部チートの強さでねじ伏せられます。主人公が強いで全て片付けられるのです。


 つまりは戦闘描写のキャラクター同士の心情や、張合い、緊張感を発生させることがまず無いんです。だって負けないからね。ギリギリの戦いってのもまず無いんだ。


 これが欠けるとなんとも拍子抜けた戦闘、簡単に言えばギャグ寄りのテイストに間違いなくなります。異世界転生でシリアス的なものってだいたいチートはないと思います。


 それと、そのチート級の能力を持っている主人公の人間味の欠如です。一方的に敵をバンバン倒していて、自分が死ぬとか、やられるとかそんなん考える必要がないので無機的な印象になります。しかも大抵こういうのって最初からなんの抵抗なしに殺戮してる訳ですからね。


 活躍は見れますけど本当にそれだけです。人間臭さがないので共感はしづらいですし機械的な描写になります。


 こういう訳でチートがつまらないと感じる人は他にもいるでしょうね。


 でも、ファンタジーにおいてやはり主人公というものはなにか特別なものを持っていて強い存在の方がいいですよね。


 そういう時は強みを考えるのと同時に欠点も考えるべきです。

 まだ若くて無鉄砲なところがあるとか、頭が硬いとか、こういう相手には弱いとか、体が小さいからパワーでは負けるとか。


 キャラクターに枷を与えるものなら外面的、内面的どちらでも構いません。

 一番簡単なのは武器の相性ですね。遠距離からの弓と剣とか、大剣と盾とか。近接と遠距離は距離があれば近接が不利ですし、大剣なら木製の盾は大抵粉砕出来ます。


 そして、たとえどんな剣豪であれど英雄であれど、怪我等などの予測不可能なことは沢山あります。腕を負傷すれば武器を持つことが出来なくなることだってあるはずですし、無理な戦いを強いられることもあるでしょう。


 主人公というものの強さはこうした窮地を乗り越えることで発揮されるものだと思います。そこでやっぱりこいつは凄いやつだと読者に思わせるのです。


 戦闘という、私たちにとってはもう非現実的な要素を描写するのはかなり難しいことだとは思います。それに加えて戦闘においてどんなことが強いと言えるのかも手探りです。


 しかし、それ故に読者はそれを求めています。空想だからこそ、こういったファンタジーに惹かれるのだと思います。それはチートでも同じことです。

 チートも、つまらないとは思いますが今ではもう確立された強さの要素です。

 チートはダメだ!って声もあるかもしれませんが気にしなくていい。公共の福祉に反しない限り、書いていけないものはありません。


 自分はこれが好きなんだという人は是非その道を大事にしてください。

 きっとこれはいいものだとわかってくれる人はいるはずです。



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O3の創作論 O3 @shinnkirou36

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