健常者
◆
俺は新しくなった原宿駅が見えるカフェの窓際の席で、若者が右往左往する様を見ながらコーヒーを飲んでいた。
隣の席では、今日は私服のヒルタ・ナオが眠そうな顔でやはりコーヒーをすすっている。彼も今は私服だ。
「気を抜くなよ、ヒルタ」
「ええ、まあ」
わかっているのかわかっていないのか、曖昧な返事をする青年は、また何度目かのあくびをして、大げさに息を吐いた。
じっと睨んでいると、ぼんやりした視線で、ヒルタがこちらを見る。
より強く睨み据えてやった。
「なんだ? 文句があるか?」
「いーえ、ありません、サー」
サーの部分を大げさに、どこかの卓球選手のように言ったので、近くにいる女性三人組が忍び笑いをしている。ヒルタはひらひらとそちらに手を振り、それで女性陣はさすがに不安になったのか、あわあわと店を出て行った。
青年は舌打ちなどしている。ザマアミロ。
「仕事に集中しろ」
「してますよ。ワタライさんこそ、俺を見張らないで、やってくるターゲットを見張ってください」
まさしくその通りなので反撃も出来ず、この若造め、と内心で思いながら、俺は背広の懐を探った。
「禁煙です」
改めて本気で睨みつけてやるが、隣の相棒はぼんやりしている眼差しのまま。
今度はこちらが舌打ちをして、取り出しかけたタバコの箱をポケットへ戻すしかない。
喫煙者には生きづらい社会になったものだ。
それからしばらくは、じっと竹下通りへの人の流れを見るだけになった。あまりにも人が多いが、ターゲットの顔はわかっているし、訓練も実践も数限りなくやっているので、人を探すのは得意だ。
五分ほど、じっと座って、しかし話もしない不自然な二人組、控えめにも浮いた客になりながら、観察を続けた。
「いたぞ」
俺が低い声で言うと、「どこですか? 視界に相乗りします」とヒルタが即座に言う。ハリのある声だった。
不愉快なことに、こういう超能力者の非常識さに慣れている自分がいる。
そんなことは今はどうでもいい。考える必要はない。
明治通り方面から、竹下通りを原宿駅へ向かう二人組。
イギリスの対外情報庁が潜り込ませている諜報員で、それに同行しているのは見た目は日本人に見える。
俺が視線を送る目と鼻の先を、背の高い金髪の美青年と、それとは正反対の背が低いががっちりとした黒髪の男が、笑い合いながら歩いていく。
二人とも、こちらの視線に気づかなかった。
「金髪は確かに俺たちの獲物ですが、日本人は誰です?」
慎重な調子でヒルタは言うが、俺はもう席を立っている。尾行する必要がある。この時のために先払いの店を選んだのだ。
ヒルタがしなやかな身のこなしでついてくる。
「待ってくださいよ、ワタライさん。相手はこちらを警戒しています。尾行なら俺の方がうまい」
店を並んで出た相棒に、俺はじっと視線を向ける。
奴の顔から、ぼんやりした曖昧さは消えている。
目元には力があり、引き締まっている表情だ。
奴が言うことの方が正しい。
俺のような昔ながらのやり方が通用しない場面も増えてきたと、日々、実感してもいた。
「見失うなよ」
そう言ってやると、にこりとヒルタは人懐っこい笑みを見せる。こういうところは素直すぎるほど素直で、まっすぐな男だ。
だから憎めないとも言えるが。
この世界に馴染みそうもないが、数年をかけて馴染みつつあった。
行きましょう、とヒルタが歩き出す。
その瞳は今、どこを見ているのか、曖昧だ。
今頃、他人の五感に侵入して、二人組を調べているのだろう。
俺にできることは何もない。
俺は超能力を使えない、健常者だ。
まったく、なんでこんな因果な商売をしているのやら。
俺の腹立ちとは無関係に、竹下通りの混雑はいつも通りの日常の中で、そこにあるのだった。
◆
それで、と執務室のデスクの向こうにいる女性が首を傾げる。
「何がわかったの? ワタライさん」
この女性、カナイ・アヤメは我らがリーダーでありながら、非常に慎み深く、全ての部下に敬称をつける。
それが逆にプレッシャーにもなるが、俺が口元を歪めるのに対し、隣に立つヒルタは平然としている。
「何もわからなかったと?」
「イギリス人は」
ワタライは昔の癖で背広の懐から手帳を取り出し、そこにメモしていたことを読み上げた。
「通信会社に籍のある男で、名前はジャック・ヒギンズとなっています」
「そういうジョークを私はあまり好まないのだけど、ワタライさん?」
「ジョークみたいな偽名ということです。日本人の方は身元不明。現在、写真を元に個人情報を割り出しています。マイナンバーカードの登録をチェックすれば、おおよそはわかるかと」
カナイが視線をヒルタに向ける。
「あなたは何かわかった?」
「日本人は、イギリス人からオオエと呼ばれているのはわかっていますが、おそらく偽名です。イギリス人を日本人はジャックと呼んでいて、それを加味すれば、二人ともが我々のような組織を意識しているのではありませんか?」
その辺りは俺よりもヒルタの方に分がある理屈だ。
何せ奴は他人の五感や思考さえも覗けるのだ。場合によっては他人の体を操れる。
精神感応能力も、ここまでくると反則だ。
細い指で顎の辺りを撫でてから、目的は何だと思う? と整った顔立ちのカナイがまっすぐに俺を見る。
何故、ヒルタではなく俺を見る?
居心地が悪いので、思いついたことを指摘する。
「二人を探れば、通信の暗号化に使われるコードブックがありそうですね」
「そんなものは、簡単には手に入らないし、もう人間が暗号化したりする時代ではないわ」
「機械ごと、掠めとるのはどうですか?」
そういうこと、とカナイが微笑む。思いつきにしてはうまく行った。そして彼女は俺の安堵を見透かしたように、ヒルタの方に視線を向けた。ヒルタは少しの沈黙の後、俺は彼らの事情を知りませんから、とだけ言った。
暗号生成装置に関しては手を打ちましょう、とその場でカナイが即決した。彼女の手はすでに昔ながらの電話の受話器を取っており、もう一方の手が十三桁の電話番号を素早く押していく。
「二人とも、夕食を一緒に食べない?」
相手が出るのを待つ間に、我らが美しきリーダーの誘いがあったが、ヒルタはあっさりと断り、俺は仕方なく、乗ることにした。
食事は一人ですることが多いし、それが気楽だが、たまには誰かと食べるのもいい。かもしれない。仕事の話が抜きなら言うことはないのだが。
特別な感情は微塵もないが、カナイは年齢不詳なほど整った顔立ちをしている。幼さはなく、しかし老いのようなものも何もない。
調和の取れた美、という言葉が自然、思い浮かぶ容姿だった。言葉遣いも口調も、仕草も、美しい。
離れて暮らす妻のことを俺は考えていた。彼女とカナイなら、それでも彼女を選ぶ確信があった。
その確信が、俺の心に強烈な痛みをもたらしていた。
電話相手が応じたらしい、「カナイですが」と話し始める上司を見ながら、俺は頭の中を整理した。食事のことは置いておいて、カナイが俺の思いつきから話題になった暗号生成装置とやらのために動いているのは、どういう理由だろう。
俺とヒルタの報告だけでそんな動きを取るか?
別の筋から何か、情報があったのかもしれない。
俺の隣でヒルタがあくびをして、やはり大げさに肩を落として息を吐いた。
◆
食事は赤坂あたりの薄暗いレストランで、いかにも俺が払いを持っても耐えられそうな店の選び方をされている。
「割り勘ですからね」
店に入る寸前に、そうカナイに言われたので、どうやら俺が男だからという理由で二人分を払う必要はないようだ。
席に案内され、メニューを開く。すぐにカナイがこちらに小声で言った。
「注文するものが決まったら、メニューを交換しましょう」
そうか、女性の方に渡すメニューに値段が書かれていないタイプの店なのだ。
周りからどういう目で見られるだろう、と思いながら、俺はすぐに決めて、メニューをカナイに渡した。
店員にオーダーして、カナイがこちらに悠然と微笑む。何をしても絵になる。
「意外に慎ましやかな注文だったわね」
まったく、冗談の質が俺とは違う。
俺がほどほどの値段のものを選んだからだろうが、男より高いものを食べるのをよしとするかしないか、女性の態度は個人によって違う。俺の感覚では、カナイがどちらかわからなかったので、安全なところを狙ったのは事実だ。
「気を使わせてしまいましたか」
「別に気にしないわよ」
店員がやってきて、グラスにワインを注ぐ。これは注文するとき、やはりカナイが「グラスにしましょうね」と言ってきたからだが、別に俺もボトルで頼もうとは思っていなかった。
むしろ、グラスにしよう、などと俺から言い出すのが、不自然ではあったと思う。感覚的、直感的なものだが、こういう感覚は捨てたものではないだろう。
形だけの乾杯をして、俺はほんの舐める程度にワインに口をつけた。昔はワインの味を覚えようとしたこともあったが、今ではすっかりわからない。タバコのせいもある。
それ以前に今は、ワインについて考えるよりも、いつでも動けるようにしておくべきなんだろう。
料理がやってくるまで、二人で班の面々の話をした。シドミも若いが、それよりも若いキリヤという女性が加入している。シドミは大学生、キリヤは高校生だ。
もっとも、設立当初からのメンバーであるシンウチはキリヤよりも一つ若い。
キリヤの特殊性はその年齢よりも経歴にある。
「トウギ博士の肝入りでしたが、現場ではどうですか?」
カナイに質問されて、どうでしょうね、と俺は視線を斜め上に向けた。
「能力的には抜群でしょう。正直、ありがたいですね。ただ、万能ではない」
「ワタライさんが言う万能な能力とはなんですか?」
「いえ、万能の能力者は、いないんですけど、彼女もどこかで抜け落ちるものがあるかもしれない、ということです」
「それは面白いですね。あの子にも見えないものがあるなら、気になるところです」
カナイが笑う。妖艶で、引き込まれそうな笑顔だ。
俺は反射的に顔をそっぽへ向けたが、それで気づいた。
店員に案内されているところの金髪の男は、例のイギリス人だった。
見間違えるわけがない。
反射的にカナイを見ようとするが、「自然にね」と先に声が飛んできて、首を緩慢に前に戻す。不自然ですよ、とカナイは苦笑いだ。
「どうなっているのですか?」
「私たちが待ち伏せした、ということです」
「何が起こるのですか?」
「これからあの男と食事をする女性がやってきます。その女性はアルコールで前後不覚になって、男に助けられて店を出て行く」
具体的な言葉に、さすがに気づいた。
あの未来の夢を見る超能力者、シンウチ・カリンの仕事だ。彼女がそういう未来を見たのだ。
俺もこういう場面は初めてじゃない。俺たちは何度も何度も、予知夢の世界を別の世界へ導いてきた。
秘密裏の諜報戦の一角でありながら、夢が現実になり、その現実を修正した時、何かが決定的に崩壊するのでは、と俺は時折、思う。
しかし世界が消えて無くなってはいない。
この先はわからないが。
「どうやって確保しますか?」
疑念や妄想は脇に置いて、俺は低い声でカナイに確認した。
「ちょっとした罠です、あなたはここにいるだけでいい。つまり、私が目立たないための飾りです。逆の意味の飾り、カムフラージュですね」
一般人、俺たちの組織では健常者と呼ばれるが、能力を持たない人間の出番は、なかなかないものだ。
少しすると俺たちのテーブルに料理がやってくる。とてものんびり食事もできないはずが、カナイは平然と料理に手をつけ始める。会話さえも向けてくる。余裕じゃないか。
俺は妻や娘の話を振られ、どちらに集中すればいいか、気持ちの向ける先を選ぶのが至難だった。
食事の間、しかも女性との食事の最中に他の席を見ていることもできないので、俺はだいぶじれったいが、カナイの話に乗った。
その合間合間に人の動きが気になった振りで視線を送ると、どことなく高級そうな服をまとった若い日本人女性がイギリス人の方へ行く。
美男美女だな、と意味もなく思った。
「作戦はいつ決行ですか?」
さりげなくカナイに確認すると、彼女は唇の前で人差し指を立てる。黙ってろ、ってことか?
こうなっては任せるしかない。
レストランの中は賑わっていて、それぞれに客たちは声を潜めて会話をしているし、店内ではクラシックだろう知らない曲がちょうどいい音量で流れている。俺たちの会話はイギリス人と日本人の女には聞こえないだろうし、逆に彼らの言葉も俺たちには届かない。
どうなるのか、と思っているうちに、ふっとカナイが顔を上げた。
瞬間、高い音が鳴った。ガラスが割れる音。そちらを見ると、イギリス人の前で日本人の女が倒れこむところだった。床に落ちる寸前に、イギリス人が抱き抱えている。
女の手が赤い。血ではない。ワインだ。
グラスが割れたのか? 手の中で?
客の視線が彼らに集中し、店員も駆け寄っている。イギリス人の口の動きは、読みづらいが日本語で「タクシーを呼んでもらえますか?」と言っているようだ。店員が慌てた様子で立ち去り、入れ替わるように別の店員がタオルと水の入ったピッチャーを持ってやってきた。
客たちもその頃には落ち着きを取り戻し、それぞれに食事に戻り始める。
俺はカナイの方を見た。彼女は堂々としていて、「これで仕事は終わり」と満足そうに宣言した。
誰の仕事が終わったんだろう? 俺たちのか、それとも奴のか。
店員が戻ってきて、タクシーが来ました、とまだ動揺している声で言う。イギリス人は頷いて、意識が朦朧としているらしい女を抱えて店を出ようとする。会計は先に済ませてあったようだ。もしくは、トラブルを理由に例外とさて後払いにしたか。店としても今の二人に会計は求めづらい。
店の中にタクシーの運転手らしい服装の男が入ってきた。
それを見た時、俺は危うく手にしていたワイングラスを落としかけた。
そのタクシー運転手はイギリス人に穏やかに声をかけ、女を抱えるのに手を貸して、そうして三人で店を出て行った。
「古典的手法、って言うんですかね」
俺はグラスを持ち直し、ワインを一口飲んで落ち着こうとした。それでも眉間に皺が寄るのが自分でも分かる。カナイはニコニコとして、食事を続けていた。
「ちょっとしたことで動転するものね、海千山千の諜報員でも」
俺は舌打ちしたいのを必死でこらえて、グラスのワインを飲み干した。
◆
例の夜、イギリス人はタクシーに乗ったつもりが、俺たちが用意した車にまんまと乗り込み、そのまま確保された。
あまり想像したくないが、頭の中身を隅々まで探られただろう。
女のグラスがひとりでに割れた。それだけで冷静さを欠いたのだ。本来ならあれから暫くして、女が薬の入ったグラスの中のワインで意識を失う未来があった。
そうして女が連れ去らるのが、起こり得た未来だ。
それをシンウチが見出し、本当に未来は変わった。
カナイが手を出し、変更したのだ。
あの夜の後、ヒルタには、俺もレストランで食事したかったなぁ、と言われ、その時にはシドミもいたので、自然と三人で食事に繰り出したのだが、シドミがまだ未成年なので入れる店は限られた。
ヒルタがあっさりと主義を曲げて、高級レストランより食べ放題へ行こう、というので、今、流行っているらしいしゃぶしゃぶの店に行った。一五〇分で一人四千円。これなら三人分の支払いを持っても耐えられる。
食事の席では特に仕事の話題もなく、俺はヒルタとシドミの会話を聞いているばかりだった。
俺とヒルタが三歳差なのに対し、ヒルタとシドミの間には八つの差がある。
つまりヒルタからすればシドミより俺の方に世代が近いはずが、シドミの趣味嗜好の方がヒルタには馴染み深いらしい。二人は俺がよく知らないアイドルグループの話題で盛り上がっていた。
結局、俺は店頭にあった複数のしゃぶしゃぶのタレの味を確認するのに終始して、あっという間に時間になった。二人は最後だけ礼儀正しく「ごちそうさまでした」と頭を下げていた。
例のイギリス人が接触していた日本人の女は、総務省が所管する研究所の技術者で、金目あてで暗号生成装置のデザインデータをイギリス人に渡そうとしていた。イギリス人は例の如く、秘密情報部の人間だ。しかしこのイギリス人は今は泳がされている。
日本人の女の方は今は捏造された罪状で、拘留され、しかし近いうちに正式に拘束される。その後は二度と自由にはなれないだろう。
国家反逆罪、という言葉も既に聞かなくなって久しいが、実際にはそれに非常に近い犯罪はいくつも起こっている。どこにも漏れずに秘密裏に処理されているだけだ。
我らが拠点、新宿御苑の地下の仕事部屋で、報告書を書き終わり、端末に保存して、俺は椅子の背もたれに寄りかかった。背筋を伸ばすと、首から背中、腰にかけて鈍い音が何度も鳴った。
いきなりドアがノックされる。返事をすると、ヒルタが顔を出した。
「ワタライさん、ちょっと飲みに行きましょうよ」
待ってましたとばかりにやってきたヒルタが言う。まさか俺の知覚を覗き見ていたのだろうか。
俺は冷静さを装って、首を横に振ってやった。
「この前、奢ってやったじゃないか。それに今日は予定がある」
「女ですか?」
「女といえば、女だな」
ああ、そうですか、とヒルタは気落ちした様子で頷いて、ぼんやりとした表情に戻り、「楽しんできてください」と首を引っ込めた。どうもまた俺に奢らせようと待ち構えていたんだろう。
俺は一人で施設を出て、新宿御苑の中を抜け、千駄ヶ谷門から公園を出た。
一度、千駄ヶ谷駅の狭苦しい喫煙所でタバコを一本吸い、それからコンコースの隅の方で、スマートフォンを取り出す。
指でなぞって、アドレス帳をスクロールさせた。
もう慣れているので、感覚的にすぐに目当ての番号を見つけられる。
タップして、端末を耳に当てれば、呼び出し音が聞こえてくる。
俺は無意識に斜め上を見て、目を細めた。既に深夜で、しかし都会では星の大半は人工の明かりに駆逐されている。
「もしもし?」
耳元でどこか舌足らずな声がした。
(続く)
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