第9話 チアリーダー

 妹にいつものようにお金を要求される。


 だが、最近アルバイトのシフトを入れすぎて、疲れ気味なのだ。


 まぁ自分の貯金と妹のお小遣い用に始めたバイトだから後悔はない。


 ただ……。


 「お兄ちゃん?」


 可愛く小首をかしげる妹。


 「そうだなぁ……」


 俺は最近の行事でチアリーダー部がパフォーマンスをしたことを思い出した。


 「妹よ……お兄ちゃん、もうお金稼げそうにない」


 「…………え」


 「やる気でない」


 「…………困る」


 「そういうな、一つ条件がある。安心しろ今度はお前の体に一切触れない」


 「ほんと?」


 「おうよ」


 そして俺は、チアリーダーの服(ちょっと小さめのサイズ)を購入し、彼女に来てもらう。


 青と白のチアリーダー姿とそれを恥じらう妹はとても癒される。


 俺は寝転ぶ。


 「ほぅら、お兄ちゃんに頑張れ、頑張れしてくれよ」


 彼女は腕につけたフリフリをぎこちなく振る。


 か細い声で応援する。


 「聞こえないなぁ……!」


 「うぅ……」


 やがて妹はやけくその満面の笑みで顔を真っ赤にしながら俺のことを応援する。


 俺は妹にお小遣いを渡す。


 …………ふぅ、明日も頑張るか。


 

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