熱帯での水分調達


「概要」

 特定の条件下において、熱帯では水分調達もかなり楽です。それでも非常に高い平均気温の生で、一日に必要な水分の量は比較的多めです。また細菌の繁殖が進みやすい気候のため、下痢が起こりやすく、それによって脱水症状が進む場合があります。特に乾季などは注意が必要です。

 最初に特定の条件下と言ったのは、時期や場所によって干上がった水たまりしかない場合もあるためです。そうした場合は早急に水を探しに出かける必要があるので、注意しましょう。



「水の見つけ方」

 蜂や蝶など、昆虫は水場の一つの目安となります。それに羽音や感染症でとてつもなく厄介な蚊も、近くに水があることを証明する良い要素です。彼らは水がなければ繁殖できませんので。同じような理屈で動物の足跡や姿も水場を示しています。特にけもの道をたどっていったり、足跡をたどることでますます期待が高まります。この時間違っても巣に入らないようにしてください。

 水場を求める移動中に水を手に入れるのならば、植物からとるのが最も賢明です。太い蔓などは、水分を吸い上げて成長する時間(主に昼間)に先端と根本の両端を切り落とすことで、中に循環していた水を吸い出すことができます。中には有毒なアルカロイドを含んでいたりする場合もあるので、少し味わって苦かったり異変があったらそれは飲まないようにしましょう。ここで助言をするとすれば、植物から出た液体で白いものは猛毒だと覚えておくことです。絶対に取り込まないことが正解です。

 少し変則的な水分として、ウツボカズラなどつぼ型の食虫植物の中に入っている液体があげられます。こちらは虫の死骸なども多く入ってますので、煮沸をお忘れなく。

 


「注意点」

 何度も言ってきましたが、熱帯の水はほぼ汚染されていると考えてください。信用できるのは降ってすぐの雨水と、毒のない植物からとった水くらいです。それ以外は必ず煮沸処理をしないとひどい下痢になり、気力と体力、電解質などの栄養素はもちろんのこと、結局摂取した水分以上の水分を失いかねません。

 もし火や容器が無く煮沸できない場合は濾過や丸一日の日光消毒をしましょう。濾過は三層が望ましいですね。例えば一番上に苔などの細かい繊維を持つもの(なおかつ菌が少ないか、殺菌作用のあるもの)、二番目に細かい砂、最後に炭と言った具合です。ただこれでも有害な菌を除去できるわけではないので、不安は残ります。

 もし直ちに水分を取らなければならない場合でも、流れのない水たまりは澄んでいても危険です。泥で濁っていようと、流れているものを飲みましょう。

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