熱帯での食料調達


「概要」

 熱帯は、砂漠や寒冷地に比べれば食料にありふれた場所です。しかしそう言っても、初心者が楽をして肉を得られるかと言われれば、そうではありません。闇雲に歩き回ればただ毒や感染症に命を脅かされるだけです。そもそも小動物すら罠無しでは絶対に捕まえることはできないでしょう。死肉なら話は別なのですが。



「タンパク質」

 罠を作れるほどの余裕と技量がない限り、熱帯で簡単に摂取できるたんぱく質は虫です。牛などのありふれた肉と比べると、実は虫のほうがタンパク質量が高いのです。特に甲虫の幼虫などは比較的癖がないうえ栄養満点なので是非とも捕まえたいところですね。あるいはシロアリ、アリ、甲虫など。いずれにしても火であぶるに越したことはありませんが、アリなどはそのまま食べてしまってもそれほど害はありません。これで食あたりをしてしまったら不幸としか言いようがないでしょうね。

 虫を除けば、今度は魚が得やすい獲物です。最も簡単な魚用罠は、ペットボトルを使ったものです。上下を切り離し、切り取った上部を反対にして胴体にはめ込むので(1)。中に入れるエサはアリやウジでいいでしょう。また抵抗がなければ便を餌にすることもできます。どちらが有効かは……、場合によるでしょうか。ただこれはペットボトルという、文明の利器を持ち合わせていた場合です。もしそうしたものがなければ、この形式の罠を作るだけでも重労働になります。一つの救いとして、乾季のある熱帯では当然水が少なくなりますから、水分を供給しにくくはなりますが、一方で水を失った魚が大量発生します。ペチペチ半死の状態のそれらを捕まえることは容易なので、その間にたくさんタンパク質を補給しておきましょう。



「食物繊維」

 熱帯で最も楽に取得できる食べ物は言うまでもなく植物です。手に入れるためのリスクも少なく、腸内の環境も整えてくれます。特にヤシの新芽なんかはありふれていながら味も悪くないのでおすすめです。それに加えて果物は糖質とビタミンを補給できます。バナナも美味ですね。果物類は水分も多いので、水分補給にも最適です。




(1)「生き物の暮らし/21.ペットボトルで魚を捕らえる」https://eco.pref.miyazaki.lg.jp/gakushu/contents/gakupro/gakusyu/kou/how/ikimono21_21.html

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