第8話

狸面の子は赤黒い塊を

死体からぶちりと引き抜いて捏(こ)ね始め

綺麗な水晶玉の様な丸い形にし嬉しそうに眺める


狸面『わーい!出来上がりだよ!』


狸面の子は真っ赤に染まった手で

赤黒い玉を手に跳ね回る


狐面『こーら、腐っちゃう前に

   早く大木様にあげないと』


狸面『はーい』


狸面の子が塊を大木にあてる

すると、塊は淡い光を放ちながら

大木の中に吸い込まれる様に消えた


狐面『ありがとう、業(ごう)に囚われた

   馬鹿なお兄さん』


狸面の子が手に付いた赤黒い血を

ベロベロと旨そうに舐め美味い美味いと

大木の周りを跳ね廻(まわ)る


狐面の子は可笑しやと笑みを浮かべた








   

   




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