第4話

「世の中が憎いのさ、周りの奴ら全てが

気に食わない!」


狸面『えぇーお兄さんってば呪う範囲広過ぎ!』


狐面『具体的に誰かって事は無いの?』


狐面の子は冷静な態度で聞き返し

狸面の子は小馬鹿にした様に無邪気に笑う


「世の中はおかしい、金で解決出来る

 殺人しても時効で逃げられる

 傍観者は加害者としての責任を

 負わなくてもいいと思っている

 哀れみは都合のいい偽善だ‼︎」


男は興奮気味につらつらと吐き捨てる様に言う


狐面『じゃあ、お兄さんはこの世界そのものが

   嫌いなの?』


「そうさ!俺がこの世の中を成敗して

 正してやるのさ‼︎」


いつの間にか硬直する程の緊張感が抜けた

男は意気揚々と言い放つ


狐面『じゃあ試してみようか、お兄さんの

   憎しみがどれほど強い呪詛になるか』


狐面の子はクスクスと笑いながら男に問う


狸面『面白そうだし手伝ってあげるよ』


「、、、協力してくれるのか?」


怪訝な顔をしたが直様、不敵な笑みを浮かべた  

怪しい化け物達の誘いも受け入れてしまう程に

負に囚われた歪んだ男は正常な判断を失っていた







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