09 "その後"

俺が目を覚ました時には病院のベットの上にいた。隣を見てみると目を赤くはらしたけいが隣に立っていた。


「・・・っ!!!!だ、大丈夫か!?優真!?」


「・・・・慧か。大丈夫だよ。そんなに心配しなくても。」


よほど心配していたのかずっと隣に居てくれたようだ。それに慧も無事そうでなによりだと思った。


「そ、そうか、それならよかった。・・・おばさんたち今、看護師さんと話してるから呼んでくるよ。」


それだけ言い残して慧は足早に病室を出て行った。


・・・俺はというと記憶には新しい出来事を振り返っていた。


あれからどうなったか、あのテロリストたちは何だったのか、姫小路さんが何者なのかなど、気になることがたくさんあった。


(姫小路さん、見た目や性格が変わってたし、ましてや人を気絶させるような力も使ってたし。・・・・まったくわからん。)


(・・・あと普段の姫小路さんではない方・・・物凄く怖かった・・・・・・黒姫さんとでも呼んでおう。それに後で説明してくれるとも言っていたしそれまでは考えるだけ無駄だな。)


出来事を振り返っていると病室のドアが開かれた。


入ってきたのは俺の母と父、看護師そして慧だった。


「優真!?大丈夫!?!?」


「大丈夫か!?優真!?」


母と父が心配そうに俺の元まで駆け寄って声をかけてきた。


「大丈夫だよ。母さん、父さん。」


「まさか優真ゆうまの学校がテロリストに襲われるなんて思ってもみなかったわ」


「俺も思いもしなかったよ」


「・・・本当に無事で何よりよ、優真」


そう言い終えると母さんは俺を抱きしめてきた。


「ちょ、ちょっとやめてよ母さん!?は、恥ずかしいよ!?」


「もう少しこのままでいさせて。」


「母さんは本当に心配してて、俺が止めなければ学校に行こうとまでしてたからな。・・・無事でよかった、優真」


父さんも言い終えると母さんと替わって俺を抱きしめた。


緊張がほぐれたのか胸の奥から熱いものがこみ上げてきた気がした。


「いろいろと心配かけてごめんな。母さん、父さん。・・・あと慧も」


「おう、無事でよかった」


「大丈夫そうですね、神岡君。」


「はい、ご心配おかけしました。」


話に一旦、区切りがついたところで看護師さんが声をかけてきてくれた。


「今日は様子を見て大丈夫そうなら明日には退院できますよ。」


「はい、わかりました。ありがとうございました。」


「いえ、それでは安静にしていてくださいね。あと何かあればナースコールで呼んでくださいね。失礼します。」


看護師さんは、俺が大丈夫そうなのを見ると気を利かせてくれたのか病室をあとにした。


「そういえば慧。今更だけど、学校で何が起きたか聞いてもいいか?」


今、自分が気になることをすぐにでも聞いておきたかった。


「おう、・・・ちなみに優真はどこまで知ってるんだ?」


「んーー、テロリストに人質として捕まったことは覚えてるけどそのあとどうなったのか知らないな。」


(ホントは姫小路さんのおかげで無事だったことはわかってるけど口止めされてるしな。)


「そこまで知ってるなら話は早いよ。・・・たしか、警察の特殊部隊が救助に向かったけど妙に静かだったらしくて教室に突撃した時には優真達が気絶してたらしい。そこで警察は一瞬テロリストの仕業かと思ったらしいけどテロリストたちも全員なぜか気絶していたらしいぞ。」


「テ、テロリストたちも気絶してただって!?」


慧は少し優真の反応に違和感を覚えたがそのまま話を続けた。


「ああ、あとは警察がテロリストたちを連行して、生徒たちは保護されたけどそのまま病院に全員搬送されることになったよ。」


「なるほど、だから俺は病院にいるのか。ほかのみんなはどうしてる?」


「優真以外は運ばれてすぐに目を覚まし始めたから大丈夫そうな人たちは退院したって看護師さんが言ってたわよ」


(よかった、みんな無事そうで・・・)


ーーーーそれからは院内放送が鳴ると三人は明日また来ると言い家に帰っていった。母さんは病院に泊まろうとしたがもう俺も高校生なのでそれは断っておいた。


三人が帰った後はすぐには寝れそうになかったが11時を過ぎたころにはいつの間にか眠りについていた。

















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ただ俺はいずれ最強となる美少女を守りたいだけ 夜月 秋朝 @yoruduki-syuasa

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