第23話「最強vs最強」(後編)
第23話
「
レオナルド大将軍のギアが一段上がってから、速度・攻撃・受け流せる魔力量の全てが大幅に増加した。こりゃ化け物だな本当に。
「
俺はそう言って、下降気流を発生させてレオナルド大将軍の動きを止めることを試みる。だが、
「まぁ無理だよね。相手も莫大な熱エネルギーの塊だもんな。」
当然のごとく無理だった。
"ドンッ!!ドンッ!!……バキッ!!"
だから今も拳と拳で、つまりは体術で戦っている。だが俺は訓練とかを受けていないので正直分が悪い。
そこで俺は打開策として衝撃波を起こす魔法をつくった。それもレオナルド大将軍とは比べ物にならない規模のものをだ。
うーん、衝撃…衝撃………日本特有の…地震だ!!
「これならどうです?………
俺はそう言い思い切り、拳を大気に打ちつけるようにしながら、レオナルド大将軍の拳諸共殴った。
すると、
"ドンッ!!ガシャンッ!!ビキッビキッビキッ!"
という音がなり、大気にヒビが入った。そしてその直後、
"ドーーーーーーーーーーーン!!!!!!"
という爆音が鳴り響いた。
すると、それをもろ直に受けたレオナルド大将軍は俺の起こした衝撃波によって右腕は砕け、それだけでなく物凄い勢いで壁に飛び込んだ。あれは背中の骨とかも砕けてるだろう………人間ならな。
観客席では先程の様に悲鳴が起き、グリアモールさんがここが崩れない様に壁を張っていた。
「…………強いな、それに規格外だ。面白い……
え、まだやんの?てか何気にギア2段階一気に上がってるし。それになんかもうレオナルド大将軍の体炎纏い始めてるし。どれだけの熱量を孕んでいるんだよ。でもいい、ここまできたらとことんやろうじゃんか。
「フンッ!!
そう言って今度はレオナルド大将軍から仕掛けてきた。なんて威力の炎だ。でもまぁさっきの衝撃波と違って見えるだけ対策のしようがある。だから、それに対して俺は
「
「まだまだ……
だが、
「
「そうか………うら!!」
そういうとレオナルド大将軍は今度は自身の足元で衝撃波というか爆発を起こして、こちらに飛んできた。それに対し、俺はバックステップを取ろうとしたがやめた。だってどうせ追いつかれるし。
「来い……。」
俺はそう言って待ち構える。
「喰らえ………
"ドガーーーーーーーン"
「至近距離でブッ放すのかよ。だけど何度やっても同…じ………ぐはっ、な、なんだ!?」
至近距離だろうがなんだろうが熱エネルギーのある攻撃ならなんでも凌げるはずだが………それなら何故…俺の熱を切り裂けたのか!?いやそんなことはない。
ではなおさら何故俺が攻撃食らって宙をまってるんだ。何故俺にはいま空が見えているんだ。
するとそんな俺のすぐ目の前に炎を纏ったレオナルド大将軍が現れ俺に拳を振り下ろした。だが俺は宙に打ち上げられている最中なので上手くは動けない。
そして次の瞬間、エゲツない衝撃が体にはしり、今度は自分が地面に叩き落とされた。可笑しいな、さっきレオナルド大将軍の利き腕である右腕は砕いたはずなんだが………左腕だけでこんな火力かよ。
「グハッ……………ってうわ!!」
俺は地面に叩き落とされてから目を開けるとレオナルド大将軍が踏み潰そうと迫ってきていたので俺は回避すべく、急いで回避した。
「おいおいマジかよ。フッ!フッ!フッ!」
俺は再び炎を纏ったレオナルド大将軍との体術戦となった。本当に右腕砕けてるよね……?
***
それから少し経って、俺は完全にアウェイな状況になった。
「さぁ待たせたな。ついに最終章だ
そう言った瞬間、レオナルド大将軍はさらに大きくメラメラとした炎に包まれた。
「まるで炎の化身だな。それなら俺も覚悟して、死ぬ気でいこう。それこそお互い殺す気で。」
レオナルド大将軍の姿はもう面影がなくなるというほどに炎を纏っており、計り知れない程の熱エネルギーが蓄積しているのだろうなというのを感じた。
そこで俺はできるかは分からないものの、禁じ手に近いものを使うことにした。それは
「並列常時展開魔法として
これで熱エネルギーによるダメージはずっと食らわない。まぁ物理攻撃は別だがな。
だけど問題ははあの計り知れない熱エネルギーの塊にどうやってダメージを与えるかだ。
「そうか、俺の攻撃は効かないか。ふむ」
「えぇもう攻撃は効かないですよ。それこそ熱での衝撃波さえもね。まぁ打撃の攻撃は効きますけど。でも問題は俺がどうやってレオナルド大将軍を倒すか、ですね。」
「ふむ、やはり面白い。………来い。」
俺は今まで高温の熱ばかりの攻撃をしてきたが、それだと俺と同じ、もしくはそれ以上の熱を孕んだ対象にはほとんど意味をなさないし、勝てないんだよな。
でもそうかよく考えれば、それならこっちが無限の魔力を行使して永久的に相手の熱量を奪い続ければいいのか。だが熱で熱を奪うなんてことはできないし、できたとしてもレオナルド大将軍の熱を奪い切るなんてことはできないだろう。
熱で熱を奪う。それで無理ならば、宇宙の仕組みを利用してみるとするか。
まずは、レオナルド大将軍の周りに熱によって空間を作り出す。そして次に
そして次にその空間内に絶対に外部からのエネルギーが入ってこないようにするために、それを阻害する熱のシールドをさらに貼り付ける。
これらをすることで熱の移動の手段である伝導・対流・放射のうちの、伝導と対流をブロックする。また
"ズンッ!!ズガーーーーーーーン!!"
俺がそんなことを考えている最中も凄まじい衝撃波が起こり続けている。まぁ今の俺には通じないが。
何とレオナルド大将軍の熱エネルギーが高すぎて、一挙手一投足ごとに衝撃波が起こっているのだ。本当にエグいな。
そうか俺はさっきあの衝撃波で上に吹き飛ばされたのか。確かにあの時は常時展開じゃなかったし、甘い部分があったかもしれないな。
「さて、そろそろ決着つけるか。」
「まずは、自身の熱放出を最大限カット。」
これは今から使う技をより強固なものにするためだ。
「まずは……
これでレオナルド大将軍を俺の熱で囲った。
今もなおずっとレオナルド大将軍は凄まじい攻撃を放ってきているが全て
「よし、魔術自体は完成だな。それにしてもこれはまた魔力無限の暴力だな。それじゃあ次だ。……………
"ヒュオーーーー!!!!"
俺が魔法を放って、凄まじい風が熱監獄の中から外へと流れ始め、熱監獄内の気圧を下げていく。
そうしているとレオナルド大将軍は熱監獄から抜け出そうと、最後にして最大の攻撃をしようとしてきた。
「こちらは全力で放たせてもらうぞ。
だが俺はそれを許さない。
「熱監獄の中でゆっくりしてて下さい。
それぞれ両者が本気の一撃を出した。そしてそれがぶつかり合った。またそれが分かるように、レオナルド大将軍が放った技は周りの空気さえも昇華させていき、俺の放った技は大気を割り、凄まじい衝撃が走っていった。凄まじい大爆発と衝撃波が起こり、観客席の方でもやばそうだが今は無視だ。
「んぬぅ!!んらぁ!!」
レオナルド大将軍は唸りながら全ての熱を攻撃に注いでいる。
「うぅ……だけど負けられない。熱監獄でゆっくりしてやがれ!!………もっと強く!!」
そして、次第に俺の魔法が押し始めた。
だがそれは当然であった。いくらレオナルド大将軍が強くて、ヤバいほどの大技を放とうと俺の放った魔法はほぼ無限に出続けるし、さらに言えば俺は今さらに質を上げようとしているのだから。
「終わりだ!!」
そしてついに俺の
"ドゴォオオーーーーーーン"
俺は勢いを弱めず
「
再び
"ズガーーーーーーーーーーーン"
という音が鳴り響いた。よし、これであとは熱を奪い切ってゲームセットだ。
そう思って俺は煙が晴れるのを待って見ていると、煙が晴れた後の地面を見ると"大の字"になってレオナルド大将軍が倒れているのが見えた。どうやら俺は勝ったらしい。
つまり結局、俺のやろうとして一生懸命に考えていたレオナルド大将軍から熱を奪うために作った術式は未完で戦いは終わったのだ。
なんだかやり切れない気持ちだな。…………まぁ勝ったから取り敢えずはよしとしておくか。
こうして長かったようで短かった戦いは幕を閉じた。
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