私だけが知る結末


最初に創作者は孤独と言いました。

アウトプットしないと、彼らは失われてしまう、と。


閉じてしまった私の心に、一筋の光を灯したのは結局『彼ら』でした。

諦めても、逃げても、書かなければ彼らはここには存在しない。


根っから、創作が好きな私にとって『物語』を考えないことはできませんでした。

生んで育てた子どもらがいるものですから、放ってなどおけなかったのです。


それでも、『呪い』は完全に解けません。


書いたところで、誰が見るのか。

書いたところで、誰が読むのか。


自分が自分にそう問いかけてくるのです。

恐ろしい形相で、恐ろしいまでの卑屈な声で。


何度も考えました。

考えて、考えて、結局。


私は手放すこともできず、さりとて抱えて置くこともできず。


小説投稿サイトに投稿することを、決めたのです。


投稿すれば何か変わる、と思わなかったわけではありません。

もしかしたら、見てくれる誰かが感想を書いてくれるかも。

沢山の人に見て貰えるかも。


ご覧いただければわかりますが、恐らくきっと強欲な私の想像をはるかに下回ったことでしょう。

「小説家になろう」に至ってはオールゼロ評価継続中です。


変わらないのです。

現実って、そう簡単には。


でも、そうやって悩みながら書き続けているある日、はたと私は気付きました。

ああ、そうか。


彼らの結末は私しか知らないのだと。

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