第3話

なんて綺麗な人なんだ…………そう思わずにはいられないくらいの美少女だった。何より寝顔が可愛いすぎる。


「……………起こさい方がいいか」


今日は帰って後日また改めようと思い部室を出ようとるすると


「ん?」


何と美少女の先輩が目を覚ましたのだ。どうしたらいいのかわからないでいると


「あら、文芸部に何か用?」

「………………」


俺は言葉を失ってしまった。よく見ると、美少女と言うより美女だと思った。黒髪ロングで、顔立ちは大人っぽく、身長も高くスタイルもいい、大人っぽいルックスだ。


「私の顔に何かついているからしら?」

「あ、いえ何も……」


先輩に見とれてましたなんて口が裂けても言えない。


「そう、私に見とれているのかと思ったわ」


先輩は、笑みを浮かべながら言ってきた。


「八、ハハ、そんなわけないじゃないですか」


俺の心を完全に見透かされているようだった。先輩の目を見るとなぜか目が離せなくなるのだ。


「まぁいいわ、それで文芸部に何の用かしら?見たところあなた新入生ね」

「あ、入部しようと思ってたんですけど……」

「入部希望者ね。部員は私1人だから歓迎するわ」


そう言って先輩は、笑みを浮かべながら入部届けを俺に渡してくる。


「あ、いや、入部しようと思ってたんですけど、やっぱ、やめようかなって、八、ハハ」


先輩の目の色が変わった。


「どうして急にやめようと思ったの?」

「そ、それは」


先輩のせいですって、死んでも言えるわけないでしょ!


それよりもこの状況を、どう切り抜けれるか考えよう。 どうすれば、どうすればいい!そして考えた結果


「あのですね、友達がサッカー部に入ったので俺もサッカー『嘘ね』部にって、え」

「嘘よね?」


先輩が、笑みを浮かべながら俺の顔を見てくる。だが決して目は笑っていない。ものすごい圧を感じる。


「もう一回言うわ、嘘よね?」

「……はい」


結局先輩の圧が凄すぎで屈してしまった。


「さぁ、座って」


先輩は、優しい笑みでイスに座るように言ってきた。分かっていると思うが言おう目は笑っていない。素直をに座ることにした。


「………はい」

「それで、どうして急に入部をやめようと思ったの?」


先輩が俺の目を見ながら聞いてきた。


「そ、それは………」

「私の目を見て正直に言いなさい」


優しい笑みを浮かべながら聞いてくる。俺は勘弁して言うことにした。


「先輩のせいです」

「私?」


先輩が、可愛らしく首を傾げた。


「俺は目立ちたくないんです。先輩はとても美人などで、もし同じ部活に入ったら目立つかなって思ったんです」

「なるほどね。あなたが入部したくない理由はわかったわ」


よかった〜、どうやら先輩は納得してくれたようだ。話しが分かる先輩でよかった。よし帰ろう。


「何帰ろうとしてるの?」

「え?」

「確かにあなたが入部したくない理由はわかったわ。でも帰っていいとは言ってないわ」

「……そんな」

「フフ、あなた面白いわね」


先輩は、人の悪い笑みを浮かべていた。いやな予感がする。


「決めたわ、あなた文芸部に入りなさい」

「で、でも」

「断ることは許さないわ、これは決定事項よ」

「そ、そんな」

「それに、あなた私の寝顔を見たでしょ?」


何で俺が先輩の寝顔見たの知ってるんだ!


「そ、それは」

「まさか、私の寝顔を見て断るなんて言わないわよね?」


そして断る事もできず


「文芸部に入部します」

「よろしい」


先輩は満足した笑みを浮かべながら頷いた。


「そう言われたら自己紹介がまだだったわね、私は、2年の春園美和よ」

「増田侑大です」



こうして俺の平凡な高校生活は終わったのだった。



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