登場人物紹介と裏話① パーティメンバー編

☆田中 誠司(たなか せいじ):コレクター、主人公、15歳


 彼の両親は健在で一般的な家庭で育った。しかし、彼には収集癖と凝り性という性格も持っていた。そのおかげで小学5年の時にソーシャルゲームにはまり、ガチャの誘惑に負けてしまった。もちろん請求額は両親が怒りを通り越して呆れるほどのレベルだった。それでスマホは没収されたのであった。それにゲームは禁止された。さすがに反省した。しかし、収拾癖は治らず、金のかからない綺麗な石や形の変わった石を集めに変わっただけだった。放課後や休みの日には河原に通い、石拾いに明け暮れた少年時代を過ごした。中学になった時にやっと携帯を買ってもらえたが、もちろんガラ携だ。ゲームはもちろんできない。使えるのは電話とメールくらいで、そのおかげで時代遅れの少年ができあがったのだ。

 中学になって部活で剣道部に入った。担任が顧問で強引な勧誘に負けたのだ。そこで、先輩からの理不尽な命令に嫌気が差し、上級生がいない新設学科だった某高校の通信課に入学を決めた。そこで運命の相手の三上愛莉と出会い恋に落ちた。彼にとっては初恋だった。その時、彼女を自分の命をかけて守ると誓った。

 異世界転移の際には収集癖からコレクターという特殊な職業についていた。最初は周囲から言われた通りハズレスキルだと思ったが、スキルやアイテムさらには職業まで複製し収集できることを知り、愛莉を守るために強くなることを決心した。そして、誰よりも早く強くなった。信頼できる仲間もでき、第2の人生を楽しんでいる。



☆三上 愛莉(みかみ あいり):賢者、15歳


 主人公、誠司の初恋相手。愛莉自身も好意を持っており、両想いだった。

彼女は小柄でセミロングの黒髪。表情が分からないほどに長い前髪が特徴で、ゲームオタクであった。人見知りが激しく知らない人と話すことはほぼ無い。休みの日はゲーム三昧で家から出ることもない。引きこもりになってもおかしくない性格の彼女だが、両親がともに教員であるため不登校は許されなかった。学校ではなるべく他人と関わらないように努め、一人で過ごしていた。前髪を長く伸ばしたのも他人と壁をつくり遠ざけるためであった。

 彼女の趣味はゲームだけではなかった。アニメや漫画、異世界転移物のラノベ小説が大好きだった。彼女の初恋が2次元キャラだったほどだ。いつか王子様や勇者のような人が現れると信じていた。

 高校に進学するつもりはなかったが、両親からの脅迫に近い説得で受験することになった(ゲーム、パソコン、スマホの没収等)。しかし、高校デビューで性格を変えることは無いので、人と会わなくても済みそうな通信課を選んだ。入学式の日、初めて隣の席にいた3次元の男の子に興味を持った。彼は高身長だが2次元キャラのようなイケメンってほどではなく、普通で好感が持てるタイプだった。そんな彼がタブレットの扱いが分からず戸惑っていた。初めて母性のようなものが芽生え、彼を助けたいと思って操作方法を教えてあげた。初対面の人と話せるなんて自分でも驚きだった。その後、彼のことがずっと気になり、ゲームどころではなくなるくらいだった。彼の趣味は石拾いらしく、石について熱弁する姿に笑ってしまった。素朴な彼だが、話していると安心する。授業中も放課後も彼とずっと話していたかった。そんな感情が自分にあったなんて驚きだ。

 そんな楽しい日々を送っていたのに突然異世界に転移することになってしまった。私は普段からゲームでは必ず魔法職を選んでいたが、その上位職の賢者になっていた。とても興奮した。そして、側に彼が居たことに安心した。一人で転移していたら耐えられなかっただろう。彼が居るなら大丈夫という不思議な安心感があった。私は第2の人生も彼の側でずっと一緒に暮らしたいと思った。



☆村瀬 春菜(むらせ はるな):料理人、16歳


 セミロングでちょっと茶髪のゆるフワ系の美少女だが、胸部には攻撃的な武器を所持している。趣味は料理とアニメ、漫画。たまにWeb小説も読んでいた。人見知りでもあったため、友達は非常に少なかった。

 彼女の実家は町の小さな洋食屋さんだった。幼いころから店の手伝いをし、料理を食べることも作ることも好きだった。お小遣いのほとんどは食べ歩きに費やしたくらい食べることが好きだ。ちゃんと太らない努力も陰ながらしていた。母親の兄にあたる伯父は会社を経営し、お金持ちだったが子供がおらず、唯一の姪であった春菜をとても可愛がった。休日には雑誌に出るような有名店や高級レストランに連れて行ってくれた。おかげで彼女の舌は料理評論家並みに洗練されていた。そして、食べた料理を再現し、店が忙しくて出歩くこともままならない両親に振る舞うことが彼女の喜びだった。彼女の料理の腕は、両親に負けないくらいに成長していた。中学を卒業したら両親とともに厨房に立つつもりでいたが、伯父からの説得もあり高校に進学することになった。だが、なるべく店の手伝いをしたいので通信課を選んだ。

両親へ親孝行する前に異世界に転移することになってしまった。初めはとても落ち込んだ。しかし、両親の分もこの世界で料理を作り、お客様に喜んでもらおうと思った。そんな時に誠司に誘われ、専属メイドになることにした。しかし、一人で部屋にいるのは寂しいので一緒に戦うことにした。最初は非戦闘員なので不安だったが、誠司君のおかげで戦えるようになった。そして彼が気になるようになった。城のメイドさんが言っていたが、この世界は男が極端に少なく、一夫多妻制が許されているそうだ。愛莉ちゃんとの関係はなんとなく分かるけど私も負けられない。積極的にアピールしていこうと思う。最終手段は私の胸部の武器を使ってでも。確実に胃袋はつかんだのでもう一押しだと思う。愛莉ちゃんとも仲良くして彼を共有しようと思う。



☆相原 未来(あいはら みらい):裁縫師、16歳


 高身長でスレンダー、ストレートロングの黒髪の彼女はモデルさんのようだった。綺麗系の彼女だが、趣味はコスプレだった。衣装を作り、それを着てキャラクターに成りきることに喜びを感じていた。中学のころには弓道部に所属していたが、それも好きなアニメのキャラが弓道部だったからだった。衣装を再現するために研究を重ね、腕を上げていった。彼女の容姿もあるが、いつの間にかに他のコスプレイヤーから憧れる存在になっていた。衣装作りの時間をなるべく削りたくないと考え、通信制の高校を選んだ。それに中学の時に電車で痴漢にあってしまったことも通信課を選んだ理由であった。その後、犯人は正義感の強い彼女に成敗されたのだが。その時の記憶があり、若干男性が苦手なところもある。だが、賢者の愛莉ちゃんを守る誠司君の姿を見て、漫画に登場する英雄のように思えて憧れを抱いていた。そんな時に彼らが行方不明になった。転移した当初、そばで震えていた料理人の春菜ちゃんも一緒に。彼らの無事を祈った。そんな中、彼から私にだけメッセージが届いた。うれしかった。さらにパーティにも誘われて舞い上がってしまった。もちろんOKだ。第2の人生を彼らと共に生きていこうと思う。



☆カレン:ナイト、元Cランク冒険者、元戦闘奴隷(開放済み)、18歳


 長身でゆるくウェーブした金髪、スレンダーではあるが鍛え上げられたメリハリのあるボディ。彼女は優秀な冒険者であったが、Cランクに上がった直後に受けた高額のクエストに失敗。パーティメンバーに騙され、高額の慰謝料を押し付けられてしまい奴隷落ちした。冒険者としてそれなりに名が売れ始めていた彼女だったので、戦闘奴隷としてBランク冒険者に買われた。彼は奴隷ではなく相棒として扱ってくれた。彼を守り、彼の盾になることを決めた。彼は優秀な相棒を得たこともあり、順調にAランクに上がった。そんなある日、王女様の護衛依頼を掲示板でみつけた。彼にとっては王族との繋がりもでき、今後のランクアップも有利になると考え受けることにした。しかし、この護衛は危険を伴う。それは隣の国の王様に抗議に行く旅だからだ。暗殺のために刺客が送り込まれる可能性がある。他の冒険者はそれが分かっているからおいしいクエストではあるが手を出さなかった。だからこそ、メリットが大きいと彼は考えた。自分の実力にも自信があったのだろう。彼女はそれでも嫌な予感がしたため彼を止めた。しかし、彼の決心は揺るがなかった。奴隷の彼女は彼の決定に従うしかなかった。そして、嫌な予感は的中することになってしまった。何度も数の多い魔物の群れに襲われた。次々と一緒に依頼を受けた冒険者が倒され、護衛の人数が減っていった。そしてあと少しで王都着くところでさらに多くの魔物に襲われてしまった。彼女の主人であった彼も魔物に囲まれ亡くなってしまった。最後の護衛となってしまったが、奴隷契約の際に刻まれた呪いで間もなく自分は死が向かえることになる。そのとき、勇者様のように登場した彼に助けられた。彼に王女の護衛を託し、死を覚悟したのだが、彼のおかげで呪いが解かれた。それに奴隷から解放されたという。信じられなかった。彼は異世界から来た転移者でやはり勇者様だった。驚くのはそれだけではなかった。彼のスキルで作られた異空間にある部屋は見たこともないものばかりが並んでいた。しかも、貴族の屋敷にしかない風呂まであるのだ。異世界の料理も信じられないほど旨かった。奴隷から解放された私はこれからどうすれば良いか悩んだ。ナイトの職業である私には冒険者に戻るか傭兵になるくらいしかない。正直、騙された記憶があるのでパーティを組むのが怖い。そんなときに誠司がパーティに誘ってくれた。誠司なら信じることができそうな気がする。私は即答し、パーティに入れてもらうことを決めた。彼らとの冒険は楽しいものになる気がしてワクワクしている。

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