第23話 季節の中心に夢はいる

 ハロウィンの夢ナイトメアが興したハロウィンの狂宴は、RemiNA滴下世界の住人達の全てを否応なく巻き込むまでに広がることになる。

 生者と"モール・モース"。

 粒子パティ死素ポルボが入り混じる混沌の大気が世界RemiNAを包んだ時、本来は目に見えることのない者たちまでもが引き寄せられていった。

 車椅子を押す少女もそのひとつだ。

 正確には、少女の姿をした夢と言った方がいい。

 周りを囲うようにしている宿り子はそれぞれが季節を宿している。

 春季・雨季・夏季・秋季・冬季。

 五季の中心にいる彼女こそが、季節という世界の流れそのものである。

 世界の体系までもが、興味を引く程に膨れ上がったハロウィン収穫祭に、その少女が何を思い、何に惹かれたのかは分からない。

 もしかしたら、車椅子に座る常に眠り続けている宿り子やどりこが、この耳障りなバカ騒ぎを聞いて、目を覚ましてくれるのではないか?

 そんな仄かな期待を抱いているのかもしれない。

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