第16話 熱血雪男

「おらびな、はーい!」

「相変わらずテンションおかしいわね」

 血液型や星座など、根拠のない印象イメージ付けが多々ある中、精霊は自身に宿すぴったりイメージ通りの性格を有することで知られている。

 火は熱血テンションが高い

 風は奔放マイペース

 水は慈愛優しい

 土は温厚おとなしい

 月は不思議捉えどころがない

 氷は冷静無口でクール

 などといった具合であるが、ここにももちろんはいる。

 ハロウィン収穫祭の夜。

 祭りの神を讃える叫びおらびなはいと共に、"モール・モース"に渾身の拳を叩き込む男がいた。

 彼は純正な雪男エユティであり、雪を介しての粒子パティとの友和性も優れていたが、性格がとにかく熱すぎた。

 暑苦しいと言った方が正しいかもしれない。

 それ故、同族の中では浮きまくり、多種族とは過ごす環境の違いから交流が乏しいという状況にあった。

 彼がそんな自分を否定的に見なかったのは、彼のような"変わり者"が逆に求められる可笑しな祭ハロウィンが流行り出したり、"変わり者"な彼を気に入ったこれまた"変わり者"な先輩がいてくれたりしたからかもしれない。

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