親の再婚で学年のマドンナな美人双子姉妹と 同棲することになったんだが、風呂場や寝室に来て「どっちでしょうー!?」とおっぱいを押し当てたりするのはマジやめてほしい。 理由は俺の理性が飛びそうだから。

雲川はるさめ

第1話

親の再婚で学年のマドンナな双子姉妹と

同棲→風呂場や寝室に来て「どっちでしょうー!?」とやるのはやめてほしい



つい一週間ほど前から。

父親の再婚で、容姿がズバ抜けていい

学園のマドンナ的存在の双子姉妹と同居することになった俺。


現在高校二年生の俺。

名前は山吹シンジ。


クラスは違うが学校同じ。

学年も俺と同じなふたり。


姉のアイカと

妹のアイリ。


二人して、ピンク色のツインテール髪であり、

スタイルもボンキュッボンで抜群にいい。

とにもかくにも容姿は滅茶苦茶可愛いのではあるが。



普通に考えたなら、

この状況。


男なら誰しも喜ばしい筈だが、

生憎と俺は、中学時代という過去のあるとき。


ちなみに、今は、無理矢理、

高校デビューしてフツメンと進化しているが。


暗黒の陰キャ時代中に、見た目の冴えなさから

罰ゲーム告白の相手役、そして、

バレンタインデーというイベント時に

唐辛子入りのチョコを渡される等の

たくさんの女子による様々な嫌がらせを受けてきたために、リアルの女の子を可愛いさと思えなくなる病、つまり現状、女の子のことを人として信じられなくなる思考に陥っており、俺は

面食らっていた。


しかも、だ。二人は俺との同居を面白がっている。


俺がお風呂に入っていると、

突如としてバスタオル巻き巻きの女が

折戸をガチャーンと勢いよく開け、


「さて、私はアイリとアイカ、どっちでしょー!?」


などと言ってくる。


「おい、バカ!やめろ!

人の入浴を邪魔するな...!!」



「邪魔しに来たんじゃないよ。

あのさ、背中、流してあげよーか??」


「いや、いい!!」



なんとか、無理矢理追い返し、

俺はまた湯船に浸かる。


だが、その五分後。


また、ガシャーンと折戸が開き、


「さて、私はアイカ、アイリのどっちでしょー?」


などとさっきも聞いたようなセリフをさっきと同じく、バスタオル巻き巻きの女に言われ、

俺は大事なところを隠すのを忘れて

立ち上がって、



「出てけー!」と

いう羽目になっていた。



「キャーッ!!」という悲鳴が生じ、

なんとか、追い払うことに成功した。



美人な双子姉妹に挟まれて、俺は

そんな毎日を送っていた。



アイリとアイカが俺をからかってくるのには

訳があった。


実は、アイリとアイカ。


双子でよく似てるのではあるが、

アイリとアイカのお母さんによれば。


「見分けるのは簡単。

仕草や声のトーンが微妙に違うし、

スタイルもどっちかと言うと、妹のアイリの方がいい」


「シンジくんが見分けられないのが不思議。

いままで、シンジくん以外は、みんな

ちゃんと判別してきたのに...!」


と初顔合わせの時に驚かれた。


そんな訳で。


アイリとアイカは。


俺が見分けられないのを面白がって、

楽しんでいる節があった。


俺がダメなら、俺の親父も見分けられないのではないかと思ったが、ある日、

四人でご飯に行った時に。


トイレから戻ってきた美人姉妹を、

ものの見事に言い当てて見せたんだ。


「いいか、良くみろ、シンジ。こっちが

アイカちゃんで、こっちがアイリちゃんだろ?」


俺には同じにしか見えなかった。


もっとも俺は昔から間違え探しみたいな

作業が苦手だった。


細かい所作や、輪郭の違いに

気が付くのがダメダメだった。


「微妙に違うじゃないか!!そーだよな?

俺、当たっているよな?」


「大正解ー!!」と双子姉妹にハモられ、


「シンジだけだ!見分けがつかないのは!」


などと言われ、すこしバカにされていた。


学校でも俺だけが分からない。



親友のユーマに言わせると、


「アイリの方が若干だが、胸がでかいんだ。

見て分からないか?」



「うーん。俺にはどっちも同じに見えるなぁ」



「じゃあ、アイリの方が少し、姉のアイカより腰のラインが太いがその違いはどうだ?」


「いや、まったくどちらも同じに見えてしまって分からないな」


「そうか...」


俺だけが、見分けられずに

日々過ごしていた矢先。



遂に、ふたりは先にも描いた強行手段に出た。


お風呂場にて、


「どっちでしょー!?」とやり出し、

更にある日。


俺の布団にふたりして潜り込んできたから

大変だった。



雷が鳴り響き、

外は大雨だった。


「雷、怖い...!!」


「お、おい、、、!」


落雷轟く真夜中に。




「さ、私はどっちだ??」


俺の右横から聞こえ、


更に左からも。



「さ、シンジ、私はアイリとアイカ、どっちでしょう?」



「おいおい、なんで、年頃の女が

男の布団に潜り込んでくるよ...!!」


「え、そんなの決まってんじゃん」


「好きだからだよ」


「な...!?」


突然の告白に。


俺はたじたじした。


「どっちがどっちでしょう!?ゲームをやってるのわね、見分けがつかなかったら、

間違えてキスしたり、寝たりしちゃうの

やだから、シンジに見分けがつくように、なってほしいからなの!!」



「お、おい、今のセリフはどっちだ!?」


「やっだなぁ!まだ分からないの!?

しょーがない、私の心臓の音、聞きなさいっっ!!」


「ついでに、大きさも確かめなさいっっ!」


俺はぐいっと、右の女に胸元へ抱き寄せられた。



「あ、おねぇちゃん、ズルい!!次はわたし!」


どうやら、俺の右にいる女が、アイカで、

左がアイリだった。


女の胸が大好きな

ユーマの話によれば。


すこしでかい方がアイリだとユーマのやつに俺は教えられていた。



このあと。俺の頭が。

右手が。順番にアイカとアイリの胸元に

押し当てられることとなり。



確かにな、と思った。



心なしか、


アイリの方が大きい感じがした。



「ほら、次はハグだよ!!」



ハグも順番に腰回りにしてみたのだが、

なんとなく差異がわかった。

ユーマの言う通りだった。


俺は暗闇の中。

徐に呟いた。


「俺、姉妹の見分けがつけられるよーに

なったかもしんない....」



俺のセリフに。


ふたりの美人姉妹は

「わぁ...,!!」と喜んだ。




「ほんとー!?じゃあ、シンジはどっちが

好き??」とアイリが言えば、アイカも


「どっちがタイプ?」と、

俺に尋ねてきたんだ。



「待て待て待て。その前に。おまえらはなんで、

フツメンの俺のこと好きなんだ??」


「俺なんて、全然イケメンじゃないのに....」



「またまたー、謙遜!!」


二人がハモったあとに。


右の方、つまり、アイカの方が俺に

こう説明してくれた。


それはね、これはあくまでわたしの見解だけど!!てか、アイリも同意見だと思うけどっ!料理が上手なところとか、

あと、うちら姉妹に勉強をやさしく教えてくれたりとか、シンジときたら、用事があるのに街で足を怪我した女の子をおんぶして家まで送り届けたりとかするところとか、

とにかく、もう!バカみたいに優しいところ!!」とアイリが言えば、アイカも


「とにかく、バカみたいにお人好しなところ!」とすこし大きな声で言ってのけた。


俺は確かに。


自分で言うのもなんだけど、

とにかくバカみたいに優しいかもな。


どんなに疲れてても、

電車でおばあさんに席を譲ってしまって

そのあと、具合悪くなって車内で

倒れたりしたもんな。

今から思えば。

救急車騒ぎの大騒ぎになったから、

無理せずに座っていればよかったなと

思っている。


俺のそういうところ。


双子姉妹はちゃんと見てるんだな。



「あのさ、俺は見分けがついたけど。

言いにくいんだけど、俺、

今はどう頑張ってもどっちかに選べないや...」


「えー、なんで!?」とアイリとアイカ。


「俺はどーやら、俺を好いてくれるふたりとも大好きだから!!」


こうして、、、

俺はリアルな女の子に恋をすることになるのだが。今はまだ、どっちを選べばいいのか

決めかねている。


きっと。


そのうち。


答えが出る日、てか、出す日がくるのかもしれないな、

なんてことを思いながら。


今宵、俺は。


だいぶ静かになった

雨音を聞きながら。


左右にいる

ふたりと手を繋いで寝たのでした。



















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親の再婚で学年のマドンナな美人双子姉妹と 同棲することになったんだが、風呂場や寝室に来て「どっちでしょうー!?」とおっぱいを押し当てたりするのはマジやめてほしい。 理由は俺の理性が飛びそうだから。 雲川はるさめ @yukibounokeitai

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