深春ss

あるのどかな春の日のこと。

夢乃深春は、自室のベッドの上で本を読んでいた。

緩めのキャミソール一枚だけ羽織った状態で、うつ伏せになって本を読んでいるため、豊満な胸が惜しげもなくキャミソールから覗かせていた。


「いやー、のどかだねぇ。実にいい日だ」

深春は本を閉じると、ベッドの上でバタ足をしながら呟く。

「桜っていいいよね、ボク大好きだよ。

淡い乙女の恋心と、友情とをいっしょくたに混ぜたようなあの色がさ」


不意に、強い風が吹き、深春の髪が風になびく。

どこかから風に飛ばされてきたのか、何枚もの花弁が彼女のベッドの上に乗っていた。

深春は髪についた花弁を手で払いながら立ち上がって、部屋の窓をカチッっと閉めると、勢いよくベッドにダイブする。

刹那、ベッドのスプリングが軋み、部屋の天井すれすれまで花弁が舞い上がり、ひらひらと1枚1枚雪のように降ってくる。


「花吹雪ってやつ?いひっ」

深春は仰向けになって、頭上から降りしきる花弁に埋まりながら言った。

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