体育祭——開始

 快晴。 

 雲1つない青空。満天の地雨。


 どんなとこで写真を撮っても映えるようなその景色に、学校の皆は太陽に照らされている。


 純白で綺麗な肌の女子は、日焼け止めを塗っていて、サッカー部のような少し焼けている肌の人は、男らしさが窺える。


 そんな日に、オレたちの学校は体育祭を迎える事ができた。


「オレ、結構楽しみだわ」


 クラスでそれぞれが着替えたり、準備をしている中、オレと紫乃は端っこで口を合わせる。


「私も同じ気持ち。楽しみ!」


 鉢巻を巻き、女子はオシャレのためか髪を巻いている。

 オレもちなみに、髪の毛のセットをした。


「今日の髪型カッコいいね」


「自分でやってみたんだけど似合うか分からん」


 いつもは軽くアイロンとかドライヤーで髪をあげているだけだが、今はガチガチにセットしてアップバンクというセットをしている。


 部活がない日には、たまあにこういった感じでセットをするのだが、部活がある日はどうせ崩れるのでやらないのである。


「いつもより上手いんじゃない?」


 オレの髪を触らないように気を遣って、目だけでジロジロ髪を見てくる。


「ちょっと友達にやってもらったからな」


 ヘアアイロンとかは自分でやったが、今回は友達にワックスをしてもらった。


 毎日セットするような人ではないので、いつもセットしている人に頼んだ方が上手くいくのは事実。


 1年の頃より楽しみな体育祭に、少し気合が入ってしまった。


「おぉ、凄いね。ゆうくんのことしっかり分かってる!」


「オレのセット大変って言ってたけどな」


 かなり軟毛なので、髪を上げるのに手間取ったらしい。


 申し訳ないと思っているが、ジュースを奢るからと言ったら普通にやってくれた。


 体育祭で写真をたくさん撮ると思うから、実際ジュースだけでは感謝しきれていない感がある。


 雫とも撮るしな。


「行こっか」


「ああ」


 そうして、開会式の時間がやってきたので、オレたちは互いに校庭へと出る事

にする。


 椅子などは昨日に準備をしていたので、持っていくものはタオルや水筒くらいだ。



 ──体育祭は、オレにとっての青春の1ページになるかもしれない。

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