↑いし

 青い春がやってきた君は

 彼女とともに砂糖水をめる

 青い瞳には幸せを噛みしめる姿


 青い夏がやってきて君は

 恋人とともに幸せの絶頂にいる

 青い瞳には可愛く着飾った浴衣


 有象無象の束の中で存在感を放つ二人

 デートしたりプレゼントしたり

 嘘のような絵に書いた幸せにかった



 黄色い秋がやってきたみたい

 ありきりぎりす

 幸せにおぼれている

 その姿まるできりぎりす

 暗雲が立ち込める

 それを見たくなくて警告を出したが


 赤い冬がやってきてしまう

 砂糖水に溺れて忠告を見逃した

 失速をパートナーのせいにして喧嘩沙汰



 出来心で彼を責め立てる

 逃げるように白と黒の道を踏みしめ行く

 真っ赤に染まった瞳で見つめる先に

 その道は綺麗な赤に染まってしまう



 春夏秋冬

 温かいは終わり

 朝昼晩

 月が昇って

 青黄赤

 止まれがやって来る



 人生はいつか上手くいかなくなる

 絶好調な時には気づかない未来

 砂糖の海の中で足掻あがくも戻れない

 彼が消え、全てを失ったような気がし

 期待も何も無い君は言う

 「死にたい」



 明けない冬はない

 必ず朝は来る

 赤はいずれ青に変わる


 人生は必ずしも上手くいかないもので

 人生はいつか良い方向に転ぶもので

 なのに君は未来を捨てた選択肢を選ぶ



 もうすぐ青い春が再び訪れる

 君は赤い冬の間に

 彼と同じ道を辿るため

 走る鉄のかたまりに突っ込んだ



 私からしたら勿体もったいない選択肢

 彼女からすれば唯一の選択肢


 もう赤が青に変わる

 幸せなはずの春がやってきた

 ふと彼と彼女の笑顔を思い出し

 私は春が嫌いになった

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