5.エデン

1.人は、天使と同じ姿をした動物のはずだった。

2.アダムは動物だったが、リリスは知性を備えているようだった。

  その為か、アダムはリリスを嫌った。

3.アダムはリリスよりも動物達と親しみ、いつの間にか山羊と交尾をするようになった。

4.そしてある晩、アダムはリリスとも山羊と同じように交尾を行おうとした。

5.リリスは怒り、梟となりエデンを去った。

6.創造の七天使は神の玉座のベールの前に集まり、リリスをどうするか話し合った。

7.そして、リリスの元に、セノイ、サンセノイ、セマンゲロフを遣わした。

リリスは海辺の洞に住んでいた。

8.セノイ、サンセノイ、セマンゲロフはリリスにエデンに戻るよう言ったが、リリスはエデンに戻るのを断固拒否した。


9.神は言った。

 「アダムが1人でいるのはよくない」

10.アダムの肋骨から新たに人の女が造られることになった。

11.夜、寝ているアダムから肋骨が抜き取られ、人の女が造られた。

女はイブと名付けられた。


12.イブは、アダムと同様、天使の姿をした動物だった。

13.しかしその為か、アダムとはすぐに打ち解けた。

14.それを見て、創造の七天使は安堵した。

15.アダムとイブは、日がな一日交尾をしては食べ、食べては交尾し、そして寝るを繰り返した。

16.その様子はまさに楽園だった。


17.リリスはエデンに帰らないと言ったものの、1人残されたアダムが気になり、様子を見に行くことにした。

18.アダムはイブと一緒にいた。

19.リリスは安堵した。

20.リリスは、アダムとイブが動物のままなのに気付いた。

21.リリスは、アダムとイブをエデンの中央へと呼んだが、来たのはイブだけだった。

22.リリスはイブに知恵の木の実を渡し、アダムと一緒に食べるよう言い残すと海辺へと戻った。


23.神は言った。

 「何たることか、アダムとイブが知性を持っている!」

24.天使長ルシファーはすぐに、何故アダムとイブが知性を持ったか調べた。

25.リリスがイブに知恵の木の実を渡したことが判明した。


26.創造の七天使はリリスを神の玉座のベールの前に呼び出した。

27.ウリエル率いる天使軍がリリスを取り囲んだ。

28.ルシファーはリリスに言った。

 「何故アダムとイブに知恵の木の実を食べさせたのか?」

29.リリスは言った。

 「アダムとイブが動物のままなのが嫌だったからよ」

30.ルシファーはリリスに訊いた。

 「知恵の木の実のことを誰に聞いた?」

31. 「貴方よ、ルシファー」

 リリスは言った。

32.神は言った。

 「何故そのようなことをした、ルシファー?」

33.ルシファーはミカエルに言った。

 「何故そのようなことをした、ルシファー?」

34.その瞬間、ルシファーはミカエルになり、ミカエルはルシファーになった。

35.ウリエル率いる天使軍がルシファーを取り囲もうとする。

36.その時、神の玉座のベールの前に、ベリアル率いる(悪魔)軍がなだれ込みルシファーを守った。

37.サマエルがルシファーの隣に立ち言った。

 「大丈夫ですか? 我らが王

  我らの軍が貴方を守ります」

38.神は言った。

 「ルシファーを逃すな」

39.神の声と共に、一振りの黄金の剣がミカエルの元に下りてきた。

40.ミカエルはその剣を掴むと、ルシファーに向かって投げた。

41.剣はルシファーの右目に刺さり、(悪魔)軍はちりじりとなった。

42.サマエルに率いられた者(悪魔)達は、地獄界へと堕ちて行った。


43.ルシファーは厳重に封印された。

44.ルシファーを 地獄界の王サタン に迎えるつもりだったサマエルは、自らが サタン となり、リリスと結婚した。

45.人は幸せな動物のまま 形成界イェツィラー との同期で活動界アッシャー へと流出するのではなく、知性を持った人間として活動界アッシャー へと流出した。

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