エピローグ 町民大会が終わったから、これからどうするのか考えて・・・・・・ある!!

第1話 溫井ホノオ視点

 町民大会はストーカーヤンキーの乱入があったけど、雪野マフユの優勝で幕を閉じた。


 授与式はストーカーヤンキーの騒動から一時間後に行われたが勇気ユウマと雪野マフユには笑顔はなく、二人とも厳つい表情をしながらの授与式だったと人伝から聞いた。

 アタシは授与式の間、両親が迎えに来るまで医務室のベッドで寝ていた、いや寝かされたが正しいかな。

 ヒバナ、チヨちゃん、ハナちゃんから休めと言われてしまい、半ば強制的にベッドで寝かされたのだ。


 その間、ヒバナに負けた事を謝った、負けてごめんねって。

 ヒバナとの約束を破ってしまった事が、ストーカーヤンキーの件よりも心にのし掛っていた。


 謝ったとき、ヒバナはキョトンとした顔をしたけど、すぐに真剣な表情になったと思ったら。


「お姉ちゃん、あの試合、格好良かったよ! 本当に本当に格好良かった! お姉ちゃんはヒバナの自慢だよ!!」


 あんな無様な負け方をしたアタシをヒバナは格好良かったと言ってくれた。

 こんな良い子がアタシの妹で良かった!!


 で、その翌日。

 チヨちゃんと共に学校に登校したアタシは、一日中、好奇の目を向けられたけど、深く話を聞きに来る人は居なかった。

 桝ココミはどうしたかって?

 取材に来るかなと思ったが来なかった、けど、遠くから敵意を飛ばされた。アタシ、此処まで敵意を向けられるような事を彼女にしたっけ??(なお、月下カイは申し訳なさそうにアタシを見ていた)。


 とまあ、そんな感じで一日を過ごし、チヨちゃんと共に帰る途中。


「溫井ホノオやないか!!」


 陣兄弟に遭遇した。

 貴方方、関西に帰ったのでは?


「えっと、陣ライガくんに陣フウガくんですよね? どうして此処に?」


 普通に疑問に思ったので聞いてみる。

 それに答えてくれたのは陣フウガだった。


「初めましての方がええかな? 僕、陣フウガいいます。

 実はですね、今日からこの近くの中高一貫校に通うことになったんです。本当は四月の始めには此処に来る予定やったんですけど、ちょっと家の方で騒ぎがありましてね。今の中途半端な時期になったんです」


「そうなんですね。この近くの中高一貫校と言うと・・・・・・、雪野マフユくんが通ってる学校、天上学園ですか?」


 天上学園。

 この近くの中高一貫校と言ったら其処しかない。

 小型ロボが主流であるこの世界で、日本では唯一小型ロボを扱う授業を取り扱っている学校だ。

 その為、ガーディアンに所属する人の殆どは天上学園の出身者と言われている。


「はい、そうですよ。僕達、雪野マフユさんと同じクラスになりましてね~」


「勝負挑んだら、彼奴、今は戦う気はないって澄まし顔で言いよって!! ムカつく奴や!!」


「兄さんがしつこすぎたのがいけへんと思うわ~」


「なんやと!?」


 兄弟喧嘩と言うより兄弟漫才が始まった。

 取り残されたアタシとチヨちゃんは陣兄弟の脇を通り抜けて歩く。

 二人ともアタシ達が行ったの見えてないみたい、まだ漫才してるよ。


「あの兄弟、賑やかよね」


「うん、そうだね」


「ねえ、ホノオ。突然だけど、アンタはこれからどうするの?」


「へ? これから・・・・・・?」


 本当に突然、チヨちゃんからこれからの事を聞かれた。

 これは、この後の予定じゃなくて・・・・・・。


「テノヒラロボの事?」


 そう言うとチヨちゃんは真剣な顔で頷いた。


「ほら、あのヤンキーの件があったから続けるのかなと思って」


「ああ、あのストーカーヤンキーは怖かったけど、それでテノヒラロボを辞める事はないかな」


「どうして?」


「テノヒラロボが好きだから」


 言うのは恥ずかしいけど、此処は言わないとチヨちゃんは納得しないと思った。

 恐らくだけど、チヨちゃんは心配してるんだと思う。ストーカーヤンキーみたいな荒っぽい人とまた出くわして、アタシが酷い目に遭うんじゃないんかって。

 だけど、それ以上にアタシはテノヒラロボが好きなんだ。

 それに。


「あと、戦いたいと思ってる人が居るの」


 町民大会を終えて、これからの事を考えた。

 そして、真っ先に思い浮かんだのは。


「大麓マオさんと戦いたいの」


 彼女と戦いたい。

 戦って、ハッキリさせたい。


 大麓マオもアタシと同じ転生者かどうかを。

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