第17話 花畑の住人、シンシア・エラージュの一目惚れ
遥か遠くの異国の地より、使節団が訪れたと聞いた。
どんな人達か見に行った先で、私は運命的な出会いを果たした。
その人は、使節団の代表者だった。
名前は、ヨシュア・クイン。お年は24歳。
ハリスガルド帝国の双子の皇子のうちの兄の方だって話で、身分もちゃんと私と釣り合うわ!
初めて見る、褐色の肌の男性。
それが、こんなにも艶めいたものだなんて思いもしなかった。
この方が特別なんだわ。
漆黒の髪に、吸い込まれそうな黒い瞳。
どれも、私の胸を高鳴らせた。
こんな素敵な男性は今まで見たことがない。
これは、運命の出会いなんだわ。
彼も私と出会うためにここを訪れたのよ。
きっと、そうよ!
ジークレイお兄様はどこに行ったのかしら。
エリオットお兄様でいいから、早く私を彼に紹介してくれないかしら。
もう、待つ時間が焦ったいわ。
男達って、どうしてこんなに堅苦しい話を長々とできるのかしら。
でもヨシュア様の予定は、エリオットお兄様と話したら終わりらしいから、もう紹介なんかいらない。
二人が話し終えたタイミングで、私は彼の前に姿を表す。
さぁ、私を連れ去って!
「ヨシュア様!私を貴方と一緒に帝国に連れて行ってください!」
「うーん。君は、いらないかな」
目の前でピシャリと、扉が閉められていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます