第46話 艶

 家族との夕食を済ませた俺は自室に籠もってテスト勉強を開始する。



 その際に音楽は欠かせない。中には音楽をかけると集中出来ないという人もいるみたいだが自分はそうではない。もしかしたら集中は出来ていないのかもしれないのだが自分の場合は時間を忘れて勉強をすることが出来る。



 元気が有り余っている時はHipHopやロック、アニソン、ボカロを聴き、疲れ気味の時はクラシックなどを聞いたりする。


 今は体力が余っているからロックを聴いている。高校1年の数学は単純計算の問題が多めなのでロックのハイテンポなリズムに合わせてペンを走らせる。



 音楽というのは気分を高揚させるだけで無く、自分を殻に閉じ込めることが出来ると思っている。人というものは音楽をかけると自分の世界に没頭する。そしてそれは時たま自分の姿を見つめ直させるきっかけにもなる。音楽の歌詞が自分に気付きをもたらす事がある。内包的な外界からの刺激とも言えるかもしれない。



 歌詞の中の主人公が努力をしている。それが自分の励みになる。



 自然は当たり前に機能している。ためらうな。



 社会は動かせる。行動しろ。





 みたいな感じで。


 とても奥深く興味深い。これだからやめられないのだ。



 それから2時間ほど経とうとしても集中は途切れなかった。そろそろ作成したプレイリストも終わる頃だ。次はHipHopにでもしようか、そう思った矢先部屋の扉が開いた。









「兄ちゃん」


「葉瑠……今日は赤なのか、この感想言うのが日課みたいになってきて怖いわ」


「でも兄ちゃん赤の下着好きでしょ?」


「確かに好きだよ」


「じゃあ僕の事も好き?」


「嫌いにはならないぞ、安心しろ」



 そう言うと葉瑠は俺がいつでも寝られるように敷いてある布団に寝っ転がった。そして足を組み、両手を頭の上まで持っていき毛の生えていない脇を強調するようなポーズをした。まるで誘っているみたいだ。



「兄ちゃん……いいよ」


「すまん、今な、凄いアルティメットスーパー集中モードに入ってるんだ」


「集中じゃなくてちゅうちゅうして欲しい」


「チューペット吸ってろ」


「じゃあ兄ちゃんのPC貸して」


「勝手に使っていいから、お前の部屋持ってけ」


「いや、兄ちゃんの部屋で使う」


「そうですか」



 すると葉瑠は俺のPCを弄り出した。



 まあ良いだろう。葉瑠が静かにしてくれるなら許容範囲だ。それから勉強を再開する。




「えっと……この場合は不等号がひっくり返るから……x≧4+aか……」



 それから20分ほどして目標の所まで終わる。


 休憩がてらアイスでも食べようかな。ドールのアイスも良いけどアイスクリンも好きなんだよなぁ。


 まあ降りてから決めよ。



「葉瑠、お前まだいたのか」


「うんー、チクビブ見てた」


「マジか……お前のチビッ子元気になってるけど何見てたんだよ」


「これ」





 目の前にはぐっちゃぐちゃに◯されている男の娘のイラストが……あるんだぁ……




「こういう風になってみたいなぁって思うんだ」


「ほ、ほーん」


「いいんだよ?」

 そう言って葉瑠は足を開いた、いわゆるM字開脚というやつだ。葉瑠の葉瑠が視界のど真ん中に居座る。



 葉瑠のそれはとても可愛らしいフォルムをしている。それでいて男らしさも感じる。世界にはという物があるらしいが、信仰される理由が分かる気がする。真っ直ぐそびえ立つそれは性的なものではなく、神々しさすら感じさせるものがある。



 そして俺は葉瑠のそれについてつらつらと長い感想を述べた自分を軽蔑する。


 連想しちゃうからアイスクリンが食べにくくなっちゃった。


「俺はアイス食いにいくから」


「あ、僕も食べる」


「お前その格好で降りるのか?」


「降りないよ、だから取ってきて」


「全く……何食うんだ」


「みるくばー」


「あい」




 全く、近頃の若者は!

 どうなってるんだい、年長者をこき使うとはねえ!耳を疑いたいところだよ!ええ!



 まあ持ってきてあげますけど。



 えーと、ドールとみるくばーだよな。


 冷凍庫から二つのアイスを取って二階の葉瑠の元へ持っていく。手にひんやりとした感覚が伝わる。


「ほら持ってきてやったぞ、感謝しろ」


「シェイシェイ」


「日本語で感謝の言葉を述べて欲しかったな」


「んー、おいしいねぇ」


「やっぱり無視するよな」


「見てみて~」


 白く溶けたアイスを口の中に深く入れたり、入れなかったりを繰り返している。ふぇ◯ちおを模倣しているように見える、というか模倣してる。


「アイスでそんなことするんじゃないよ」


「コツはね、裏筋の辺りを舌で優しく包むこと、当たり前だけど歯は立てちゃダメだよ」


「なるほど~~」


 コイツの性談義が始まると終わらない。適当に流すに限る、ここでの葉瑠の話は将来俺の性生活に役立つ可能性は限りなく低い。



「カリの部分は唇でぷりって感じでやってあげるんだよ。まあこのみるくばーでは再現出来ないのが残念だけど」



 いや知らんが。



「あとは口いっぱいに入れた状態で吐息を口の中で吐くの、そうするとほわってしてほんわかするんだよ」



 ほぇー



「あと先っちょは無難に舌でチロチロするのに限るよね」






 英語……




 するか……














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こんだけの性描写したの初めてですね。

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