オンナの直感!?!? いえ直観。

水木レナ

信じ抜く力を!

 水木レナはカクヨム5年生。

 ちょうど一年前、KADOKAWA系列の大賞応募サイトの選考記事を見て、恋をした。

 正確には、それはほの甘く、軽い熱を伴った憧れに近かったのだけれど。


『神小セブンワンダーズ/えーきち』

 という文字列に強烈に惹かれた。

 カクヨムから選出されたと聞いて、即検索をかけた。


 えーきちさんて、どういう人だろうか? ひらがながユーモラスで楽しそうなイメージ。

 でも残念ね、タイトルにカタカナ英語を用いてる。

 これって、選考員には「かっこつけてる」って不評だって、専門学校で習ったわ。


 もちろん、時代は変わった。

 作文を書くときに避けなさいと、教わったはずの長いタイトルが台頭している今、選考員にも世代が反映されている。


 よっぽど内容に自信がないと、これは通らないぞ。

 でも『神小セブンワンダーズ』は読んでみたいな。

 読みたいぞ。


 さて、このえーきちさんに接近するにはどうすればよいか。

 無難に自己紹介して、お友達になってくださいと言えばいいかというと「それが自分になんのメリットがあるのだ」と思われかねない。

 ならば、メリットを印象付けよう! なにせわたくしはその年最高運気だった。


 この運をあげよう。

 次の歳からは最悪運勢なので、その年にしかできない方法で!

 彼の参加する自主企画に参加して、あわよくば名前を憶えてもらい、作品を読み合う! これがカクヨムでのスマートな接近法だ。


 いや、その後、実はカクヨムパーティなるものの存在を知り、えーきちさんがそこでの人気者になっていたのを知った。

 カクパは数を重ね、その年も行われたらしいが食指が動かなかった。

 なぜならえーきちさん以外の人とも仲良くなれなきゃいけないし、うまくやっていける自信がなかった。


 *****


 当時わたくしは、目高手低で自作を軽侮してるきらいがあった。

 だが、えーきちさんは違う。

 どこまでも前向きに、挑戦し続けていた。


 だから、惹かれた。

 わたくしの尊敬する作家像がそこにあった。

 彼の作品に触れていれば、自分も前向きになれる気がした。


『神小セブンワンダーズ』は大賞にいたらなかった。

 しかし、わたくしは信じている。

 文字数の都合とかで使っている小難しい漢字をひらき、なんとなくで設定したキャラをもっと特徴づければ、受賞したときに高評価を得られ、スピンオフが期待される、と。


 細部に神宿る。

 冗長になりがちなセリフや地の文を、易しい言葉に言いかえれば、テンポよくいくはずだし読者に親切。

 拝読したけれど、驚きの展開とはっとする描写が印象に残った。


 がんばれ、えーきちさん。

 もう一度立ち上がるんだ。

 あなたの物語は面白い。


 応援して応援して応援した。

 そして、えーきちさんは再び加筆修正して賞に応募なすった。

 大丈夫、こんどこそ!


 こんどこそいけるよ! 面白い、は正義だから。

 その頃にはわたくしはすっかり、えーきちさんのファンだった。

 毎日彼の作品を読み続け、彼の文章を読んでいないとぐあいが悪くなるほどだった。


 わたくしは直観した。

 これが恋なんだと。

 そして、かなわぬ想いなのだと。


 でも、わたくしには自信がある。

 たとえ妻子ある方だとしても、友達の座はわたくしのものだ。

 作家として認められることはまだなくとも。


 追いかける。

 きっと目覚ましい成長を遂げていく。

 その過程を、彼の文章と共に過ごしていくことに意義があるのだ。


 負けない。

 えーきちさんがこの世にいてくれる限り、わたくしの心の炎は消えない。

 わたくしも、賞に応募して、プロになるんだ――。


 そして、今年。

 えーきちさんは受賞するだろう。

 書いて書いて、書き続けるその情熱があふれている限り、チャンスは一度きりじゃない。

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