第52話 大掃除 その3

「うん。こんなもんで良いだろう!」


 フード内、ある程度汚れが落ちた所で、本体換気扇カバーを洗うため外に出る。

 屋外に有る水道でカバーを洗っていると、誰から声を掛けられる。


「恵那ちゃん。やっほ~!」


「あっ、音羽ちゃん、こんにちは!」


「んっ。恵那ちゃん。何、洗っているの…?」


 音羽ちゃんは、私が洗っている物に興味を示す。


「これ?」

「換気扇カバー。今日、大掃除なの!」


「ふ~ん。恵那ちゃん家は早いね。まだ、12月入ったばかりだよ!」


「うん、そうだけど…。早いほうにやった方が、後が楽だなと思って!!」


「まあ、そうだよね。うん、頑張ってね!」


「ありがとう。音羽ちゃん!」


「邪魔しちゃあ悪いから、私行くね!!」


「あれ、音羽ちゃん?」

「用事が有って、私の所に来た訳じゃ無いの?」


「うん。顔見たから声かけただけ」

「じゃあね、恵那ちゃん!」

「バイバイ~」


「うん。バイバイ~~」

「音羽ちゃん!!」


(顔見ただけか……。まあ、いいや)


 洗ったカバーを、外で乾かしてある間に、ガスコンロとシンクの掃除をしていく……


「……後は、このカバーを付けて掃除は完了!」


 洗った本体カバーの上に、新品の使い捨て換気扇カバーを付けて、台所掃除は完了。

 お姉ちゃんの方も、トイレ掃除などは掃除は既に終わっており、庭掃除をしている。

 私は庭の方に出て行き、お姉ちゃんの元に行くと、先にお姉ちゃんが声を掛けてきた。


「あっ、恵那。台所掃除は終わった?」


「うん。終わった!」


「恵那。庭掃除と言っても、玄関周り掃いたぐらいだよ」


 お姉ちゃんはそう言うが、庭には雑草が生えている。


「お姉ちゃん、草抜きは?」


「あんなもん、ほっとけば枯れるでしょ。冬だし、それに人の目の付かない庭だし……」


 お姉ちゃんの中では、草抜きはしたくないようだ。

 私も、目に余る状況では無いので、草抜きはまた暇な時にと思った。


「まあ、そうだね、お姉ちゃん……」


「そうすると、恵那!」

「今日は、これで終わりなるけど、終わりで良い?」


「うん、今日は終わり。お姉ちゃん!」


「よし!」

「なら、ほうきとちり取り片付けて、お茶にしようか。恵那!」


「お姉ちゃん、お疲れ様」

「じゃあ、お茶の用意するね!!」


「恵那もお疲れ!」


 ……


 次の日(日曜日)も、大掃除の続き(2階)をして、私の家の大掃除は大体終わった。

 見違えるほどの綺麗さでは無いが、私の心は1つの仕事を終えてスッキリしていた。


「やっぱり、綺麗な家が良いね!」


 私は、そう呟いたのだった!

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恵那のどたばた日記 小春かぜね @koharu_kazene

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