第6話草木瓜は紅きがゆゑ

(記2021/3/15)

引用句「草木瓜は紅きがゆゑに狐寄らず」(橋本多佳子 命終,261)


(読みかた:くさぼけは あかきが ゆえに こ よらず)


草木瓜(くさぼけ)は紅い花を着ける。その花が第4話の「花しどみ」です。この草木瓜に狐が寄りつかない。どうして狐は寄りつかないのだろう?そんなこと泡(あぶく)は知らないけれど、あなたならご存知かもしれませんね。時間に余裕があったら調べるのも好いでしょうし、ナニか凄いことが分るかも‥そのときは教えてくださいね。赤い色に牛は興奮し・攻撃的になるそうですし、猿は西瓜の赤色に惹かれるそうです。そして狐は草木瓜の紅を敬遠するそうです、だけどナンで敬遠するの?


ここで言えること、それは「狐には狐の理由がある」に違いありません。そうではありませんか?あなたが怒っているとき・笑っているとき、いちいち私が知っている筈はありませんからね?逆のばあいも何らかの訳がある筈。熊除けに空き缶や太鼓を叩いて歩きなさいと言われる。理由は分らないけど、紅い色に狐除けの効果があるのです。そのように新型コロナに効く療法もある。私たちはお互いの情報を寄せ合うことで弱肉強食の世界を生抜いてきたのです。これからもそれは同じでしょう。


工女匠さまで言えば、山や川・海ほか、あっちこっちを歩いて眺めて、素材を見つけては、叩いて・焼いて・冷やして・鍛えて・研いで‥そうやって宝剣・矛盾丸を沢山拵(こしら)えて来られた。この矛盾丸を真っ当に振るう鍛錬は次世代の泡であり、矛盾丸を役立てたいとお思いのあなた・あの人・未来の人々‥希望を見たい人・希望を与えたい人、そんな人々の誰もが矛盾丸を振るって好いのでないのかな。信じあう関係づくりは夢づくりであり・希望づくりであり・愉快な作業にちがいない。


人同士が信じられる関係づくり。そのために希望を持って世界を歩くあなたがどうしても欠かせない。そういったことを泡はこの句に思うのです。

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