第4話 2000/5


---------------------[短文のコーナー]------------------------------------


[It's a natural thing]


あなたと、わたしと。

ふたりだけで。

世界が できてたらいいのに.....。


遠くから、見てるだけ。

そんな私の、この世界


あなたは想うひとがいて

あなたと、の、世界がある..


せつなくて

くるしくて


涙零れる ときもある


こんなわたしに 気付いてほしい


いつか、きっと。


いつのひか...。




[作:shoo 2000/4]


---------------------[長文のコーナー]------------------------------------




[lonely girl]


「...hello,..how are you?」

窓辺のラジオから、旧いポップスが流れる。

確か、..この曲は..?

「ha、're ...telephone line..」

....そう、telephone lineだったわ...

窓辺の少女は、まどろみながら。

想いに耽る..こころ、ゆらゆら。


電話が好きな、lonely-girl。

ひとりが好き?な。lonely-girl....。


ちょっと気楽で、すこしさみしい。

空っぽのままの、予定表...。


5月の風が、さらさらと。

レースのカーテン、揺らしてる。

少し開いた、窓のすきから

やさしい香り 連れてくる。


高く囀る、椋鳥の子。

若い、息吹を思わせて。


「早く、おいでよ、外は春だよ!」


風も、光も..呼んでいる

若葉、まぶしく、春の誘い..。



「...!」



なにか、はじけた。

心の中で。

いつか、言おうと。

おもってたこと。


いまなら、いえる。

そんな気がして。


テレフォン・ラインに、


気持ちを託す....。


......おねがい、神さま。

願い、かなえて...

suksosi de iino..

chotto de iino..





「もしもし...あのね、私.....」

「...タダイマ、ルスニシテオリマス。...。」

「......^^;もぅ。あっ、ごめんなさい。私!

いつも留守電してごめんね、あの、明日ね.......。」



「...ふぅ^^;。」

「言っちゃった....。」



ほっとした、かな。


....でも、ちょっと、ドキドキ。

今までの、ように。

ひとりで、好きなままで、いたほうが。

よかった、かな....。


でも!

もう、言っちゃった!。

さあ、明日が、いい日になりますよう....。


鏡に向かい、そう告げて。

自分のキモチ、信じよう...。


昼下がりの街、公園通り。

ひとで賑わう、土曜日の午後。


....明日が、待って、られなくて。


ひとり、きちゃった。待ち合わせ場所。


....ふと、なにげなく、振り向くと。

遠くにふたり、見覚えのある...。



..ひと、は...。」



...あな、た、のとなり、歩いてる...。

綺麗な髪の...。あのひと、は。



幼馴染の、憧れのひと?


噂のアイドル。学園のヒロイン。






あなたの願い、叶ったんだね。


....よかった、ね...。





でも。


ちょっと、さびしい、ナ....。



風がやさしく、吹きぬけて。

涙をそっと、連れて行く....。


夕凪。

少年は、部屋に戻って。

机の上の、留守番電話。

点滅してる、メッセージ....。


「.....あっ、ごめんなさい。私!

いつも留守電してごめんね、あの、ね...。」


.....メッセージ・ハ・イッケン・デス....。

オレンジ色の、点滅ランプ。


胸の鼓動に、調和して。



「まさか...あの娘が?....僕、に.....?」


しんじられない、デモ、マサカ。


とにも、かくにも、「返事」をしなきゃ!


受話器を持って、あの娘へ電話。

あわてて、何度か、間違える......。

やっとつないだ、回線は。

呼び出しコールが、なっている....。

2回、3回、4回、5回.....。


「あ、もしもし....。」


「タダイマ、チカク、ニ、オリマセン....。」


電話の好きな、lonely-girl。

明かりつけずに、部屋の中。

光るダイアル、見つめてた。

今日の出来事、おもいだし。

ぼんやり、うつろ、ふらふらと。


「メッセージ、ありがとう。明日、楽しみにしてるよ。

ほんとは僕から、誘いたかった。

でも、できなくて。ごめん、ありがと・・・

じゃあ、明日!待ってるよ。」


電話が好きな、lonely-girl。

きょうから、もっと、好きになる.....。

電話と、それと、lineの向こう。

ちょっと、はにかむ、彼のこと........。


梢の月も、微笑んで。

淡い、想いを、見守って......。








[作:shoo 2000/5 ]



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