第4話 ノアの誕生パーティー


パーティーが始まり、各々が談笑しながら料理を食べる


今回のパーティーの主役である俺は、客人との挨拶を済ませ、家族のいる辺りへ1度戻ってきた!


1つ驚いたことは、このパーティーに西の国境を収める、メンクレン辺境伯がきていたことだ


この国の貴族の序列はこう


国王→王家→公爵家→侯爵家→辺境伯家→伯爵家→子爵家→男爵家→騎士爵家


辺境伯は特殊な位で、国境を武力をもって守護するのが務めであり、かなりの影響力のある地位だ


恐らくだが、15年前に戦争し、今も国境を挟み相対するヘリステムへのアピールだと思う


我々メンクレンは、かの戦いの英雄センバート家と親密な間柄だ!


とアピールすれば、ヘリステム王国の人間も、またこの国へ進行しようとは思わないだろうからね


まぁ、貴族の客はお隣の男爵家3貴族と、辺境伯だけなのでかなり浮いてるけどね。



「ノア、誕生日おめでとうね!」


家族の元へ戻ると、兄さんが祝いの言葉をかけてくれる


「ありがとう兄さん」


「なに、可愛い弟の3歳の祝いだよ、俺も嬉しいんだよ」


ダリル兄さんは今年で8歳、最近では父さんの仕事の手伝いやうちの文官達とも仕事のことで話している真面目なイケメンだ


ふわふわした母さんみたいな雰囲気の裏に、高性能な頭脳を隠し持っている


そんな兄さんが、自分のお小遣いでプレゼントを買ってくれた


「これは魔道具?」


「そう!ノアは魔法が好きでしょ? だがら魔法に関するものがいいと思ってね、安いガラクタしか買えなかったんだけど、良かったら遊んでね」


何とわかる兄なのだ! 魔道具なんて結構値がするのに俺のために、大好きだよ兄さん!


「本当?ありがと!嬉しいよ!」


「ノアが喜んでくれれば良いんだよ」


はぁ、なんていい兄さんを持ったんだ俺は


その後も最高の兄さんと、魔法の話をしていると、友人と話し終えたシア姉さんとエルーナ姉さんがこっちに来た


「兄弟で何を話しているの? 私達も混ぜてもらうわよ!」


「うん、兄さんにプレゼントをもらってね! 魔法のことをはなしてたんだよ」


隠す必要も断る必要も無いので、普通に答えると、姉さんたちも何やらプレゼントがあったらしい


「私からはこれよ! ノアには絶対に似合うと思って買ってしまったわ!」


シア姉さんからのプレゼントはマジックワンドと呼ばれる魔法の杖だ


魔法の操作や誘導の補助をする役割がある


俺は別に使わなくても、魔法は全然使えるんだが、せっかく貰ったので、これから魔法を使う時は、この杖をつかうことにする


「ありがとうシア姉さん、大事に使うよ!」


「ふふ! ノアもおめでとう!!」


母さんの影響なのか、シア姉さんはそう言いながら頭を撫でてきた


「次は私ね、私はからはこれよ」


そう言ってエルーナ姉さんが出したのは、猫耳の着いたローブと、簡単なお化粧セットだった


「え、なにこれ、俺は男だよ?」


一瞬、いや、今も意味がわかってない、どうゆうことだ? 俺はどうすればいいんだ?


「ふふふっ、ノアは可愛い顔だから、女の子の格好が絶対に似合うと思うのよね」


こ、これが年の離れた姉か…


昔、大家族の武泉が言っていたが、少し年の離れた姉は、可愛いからか、弟にコスプレや女の子っぽい格好をさせたがる習性があると言っていた


国、はたまた星が違えど、それは同じとゆうことか、


「何それ!絶対似合うよ!」


あーあ、シア姉さんまで乗っかっちゃったよ


「ふふ、俺も似合うと思うよ?ノア」


って、なんでダリル兄さんまで乗っかるのさ


「ふふ、ダリルも昔やったわよね、お母さんに瓜二つになって少しつまらなかったけど」


俺が心の中で兄さんに突っ込んでいると、エルーナ姉さんがそう言った!


兄さんも被害者だったか、同じ苦しみを味わえ!


と、そーゆー事なのか?


これは断れないんだろうな



せっかくの誕生日なのに、エルーナのプレゼントのせいで、ノアールははだいぶ疲れたのだった。




ーーーー




「おいノア!こっちこっち!」


「遅いわよ!」


俺は家族と別れ、ハールとチコチーニの元へ来た


「仕方ないだろ、来客の人との挨拶なんだから」


この2人は、場に何人も貴族がいるにも関わらず平常運転をする肝っ玉がすわった子供だ


3歳だから、事の重大さを分かってないだけかもしれないけどね


「なあノア、あそこの女の子は誰だ?」


ハリーが指を指す先には、先程までシア姉さんが話していた女の子がいた


「あれはうちの西側の領地をたばねるウーデリル男爵の次女だよ」


「へぇー、ここらには居ない雰囲気だな」


「なによハリー、あんたもしかして一目惚れ?」


「そんなわけねーだろ、アホか!」


「ふん、どうだかね、本物のアホの考えることなんてわかったもんじゃないよ」


なんかチコが拗ねているが、もしかしてハールを取られると思ってるのかな?


いや、チコに限ってそれは無いか・・・


「ノア、何か失礼なこと考えてない?」


おっと、顔に出てたか?


「別に? それよりウーデリル嬢の事だったね、彼女の母、ウーデリル夫人はハストーレ王国出身なんだよ」


ウーデリア嬢は、少し浅黒い肌に、細めの目をしている


ハストーレという砂漠国出身の母親の影響だろうね


「確か砂漠の国よね? 将来絶対に冒険しに行きたいわよね!」


「おお!砂ばかりの場所だろ? 行ってみたいに決まってる!」


なんで二人の中では、将来は俺達で世界を冒険することになってるんだ?


「なぁ、なんで冒険? 俺そんなこと言ったことないけど?」


こればかりは本当に謎だよ


しかもこの話の時は、2人ともめちゃめちゃ意見が会うからタチが悪い


「またその話かよ!いいじゃんか別に、ノアはやりたい事とか無いんだろ?」


「そうそう、せっかく魔法も使えるんだから、冒険しなさいよ!」


とこんな調子なんだよね、どうしたものか


「はぁ、まあ考えてはおくけど、強くないと冒険なんて出来ないからね?」


この世界は危険な獣や魔物も多く生息してるからな


「おいおい、俺たちは騎士の子供だぜ? そんな事わかってるよ」


「そのために日々剣の訓練してんだから」


あっそ、そうなんだ。


冒険に興味が無いって言ったら嘘だけど、この2人ほど飢えてはないんだよな



まぁ、将来のことなんか今考えても仕方ないか、もう少し大きくなるまでは、まったりしたいしね

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