緊急指令 500文字以内に人質を救出せよ

源義史

第1話

「隊長。もうすぐミッション地点に到着します」

「…」

「いや驚きましたよ。テロ集団が、アメリカの大使を人質にして立てこもるだなんて」

「無駄な字数を使うな」

「あっ。申し訳ありません!」

「『ごめん』でいい」


 彼らは、CLRP(Character Limit Riot Police)という、主に過酷な字数制限環境下での任務に特化した部隊の隊員である。

 近年の国際社会の動向を踏まえ、我が国でも2年前に新設された。


「大使館です。ここに人質が…」

「わかってる。それから、この任務の制限字数は、、、500だ」

「ご、ご、、ご、、、ごひゃくぅ!?」

「おい、無駄な字数を使うな」

「すみま…、あ、ごめん。それは無理があります。通常1000、いや2000は与えられますよ!?」

「大統領の意向だろう。30年以内に、字数ゼロ社会を目指すと息巻いているからな。」

「勝手な…」

「命令は絶対だ。何としてでも、任務を成功させる」



残り、100文字。

 

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