美人な幼馴染が俺の部屋で無防備に脱ぐ→「どーせ何かする勇気なんてないんでしょw」理性が飛んだ次の瞬間...

雲川はるさめ

第1話




美人な幼馴染が俺の部屋で無防備に脱ぐ→「どーせ何かする勇気なんてないんでしょw」理性が飛んだ次の瞬間...


事件現場は俺の部屋。ある、真夏日のこと。


俺はベッドで寝転びながら段々と薄着になっていく美人だけど大嫌いな幼馴染の姿を見て

ヒヤヒヤしていた。




「お前...いくら俺の部屋がちょい室内温度高めだからって、服を無防備に脱ぎ出すなよな...」



「うるさいなー、いいじゃん別に。

あんたの部屋、扇風機もないし、クーラーも

ないんだからさ!」


アイリは父親が県職の上の方の役職に就いてるだとかで、安定した家庭環境下にいる。

お金に困ったことなど皆無。

だから、俺の部屋が殺風景なのを

ズバズバと言ってくるわけだ。


俺は生憎と母子家庭。

倹約に生きてる。部屋に冷房があったとしても

うちわで我慢する派だ。





風邪で体調不良な俺。

自分の部屋で寝てたら、

俺の幼馴染が家にきた。

そいつの名前は、西野アイリ。

はっきし言っちゃうと俺はアイリのことは大嫌いだった。


美人ではあるが、性格に難がある。

俺のこと散々、馬鹿にしてくる。

それは、頭の悪さであったり、

ちょい、ひ弱なところであったり。

現に今も体調を崩して寝込んでいる。


運動があまりできない吹奏楽部陰キャ

なところをつついてくる嫌な奴だった。


どーやら例によって見舞いに来てくれたよーなんだが、口の減らない女だった。


「ちゃんと食べないからじゃん?

夏風邪なんか引くのはさぁ!」


「昔からあんたってば野菜嫌いだもんね!」


「るせー、そんな悪態つきに来たのかよ?」


「心配してきたの!どんな状態かな?って。

もう3日も学校休んでるじゃん!」


現在中学三年生の俺。

名前は山吹シンジ。


確かに、学校を休んでかれこれ3日。


かなり大人しくしてたから熱も引き、

明日には登校できんじゃないか?って

とこまできた。


それなのに。


アイリときたら。


俺の耳元で

ギャンギャン言うもんだから

やや頭痛がしてた頭の痛みが思いの外、

増した気がする。


「頭いてぇ...」


「だ、大丈夫なわけ!?」


「お前、ほんとに心配してくれてんのか??」


「心配してるわよ!だから来てやったんじゃない!」


「ふーん」


ここまできて。

アイリは俺の部屋をあちこち物色し始めた。


「シンジは具合悪いし、なんか退屈だな!

あ、何これ!?」


アイリは俺の部屋にあったゲーム機に

手を伸ばし、


「これ、新作のゲームじゃん、

ちょっとやっていい?」と言い出した。


「いいけど」


「そのソフト、とゲーム機、

吹奏楽の先輩が俺にくれたものだからな、

大事に扱えよ」


「分かった!」


暫く経ってから、


「やっぱ、暑いな...」とぶつくさ言い出したアイリ。


大人しくゲームに興じて、いい具合に

俺に話しかけてこない。やれやれ、と思った。

アイリがいる方向とは真逆の方向を向いて寝ていた俺。


同じ体勢でいるのが疲れたので、

寝返りを打った。それから、

俺がチラリとアイリを見た時だ。


絶句した。


うわぁ...!と思った。


俺の部屋は、確かに暑い。


アイリときたら、上半身、キャミソール姿。


着てた服、何枚か脱いだみたいだった。


俺は思わずその姿に顔を赤くした。


そしてアイリに向かって慌てふためき言ったんだ。


「お前、洋服脱ぎすぎ!」


アイリはキョトンとした。


「え?なんで?」


「だって暑いんだから仕方ないじゃん。

キャミソールになった、これでもまだ、

あんたの部屋暑いよ...」


「馬鹿!」


俺なりに叱った。


だけど、アイリは聞く耳を持たなかったんだ。


そればかりか、逆に俺を挑発してきたんだ。


アイリは赤いミニスカ姿。


その、なんだ、赤っていろんな意味で

いけない、てか、反則だと思うんだ。



「どーせ、襲う勇気 なんてないんでしょ?」


フフンとした表情で俺のこと見てくるアイリ。


流石に俺も頭にきたっていうか!


「言ったな、この!」


頑張って起き上がろうとした。


ま、最も、身体のだるさは大分抜けてる。


とはいえ、

これは俺の人生最大の失敗。

風邪の病み上がり期にいる俺は。

アイリと

やや取っ組み合いになるちょい前に、


ベッドから足を踏み外し、


「やべっ...!」


ちょいあれな体制になってしまったんだな。


....

俺が上。下にアイリの身体。


「近い近い、顔近い!」と喚くアイリ。





幼馴染アイリの顔は真っ赤だった。

てか、俺の方も真っ赤だった。


「うそうそ、たんま、ごめん」

と謝罪してきたので。


俺はちょっと面白くなってきて、

アイリを揶揄ってみることにした。


ギリギリの、もう、キスする超絶一歩手前まで

アイリの顔に俺の顔が近付きかけたとき、

言ってやったんだ。


「やめねーよ」ってな。


アイリは、

もう、さっきより頰を赤らめて、

困惑顔だった。

さっきより更に面白くなってきた!

そんな幼馴染の顔、俺は初めて見た。


「ギブ、ギブだから!ごめん、ごめーん。

私の負けよ!キスするんなら、

もっと別の場所とかがいい!!夜景を見ながら、とか、花火を見ながら、とか!!」


キスするつもりは毛頭なかった。


だって俺、揶揄ってるだけだし。


しかし。


悲劇は起きた。


アイリがどーしよーもない困り顔して

俺に懇願する様は、上から眺めてて

滅茶苦茶面白かったんだが、



いいところで、お母さんが入ってきた。


そして、俺に食べさせようとした

小さな土鍋に入ったおかゆを落としやがったんだ。俺の部屋のドアのところで、


ガチャーン!とな。


そして言う事には。


「あら、あらあら!

ごめんなさい!お取り込み中のところ、母さん、邪魔したわね!」


「さ、キスの続きをどーぞ」


事故キスだった。


これは紛れもない事故キスだったんだ。


俺は必死に否定した。


「か、母さん、これは違うんだ!

ついさっき、母さんが来る前に俺はベッドから足を滑らせて、こんな体勢になってしまった

だけなんだ...!」


俺が大急ぎ、弁解したが遅かった。


「カップル誕生ね!」

と喜びながら、

割れた土鍋とフローリングの床に散らばった

煮えた米粒をきれいに片付けていた。


「あ、お母さん、わたし、手伝います!」


「いいのよ、アイリちゃん。気を違わないで。

お見舞いに来てくれたんだから。

それにしても、シンジに風邪うつされてなきゃ

いいけど?」


「あ、た、多分大丈夫だと思います!」


母さんはアイリのことは大のお気に入りだった。実はアイリは女の癖に

生徒会長でしっかり者。



俺に対してはつっけんどんで

ムカつく態度を取るけど、

母さんには非常に人当たりよく、

礼儀正しく接していたんだ。


「アイリちゃんみたいな子が、あんたの

お嫁さんになったら、絶対いいわね」


などと、常日頃から呟いていたんだ。


俺はそのたびに、


「いやだよ。誰があんなやつと結婚するか!」


と嘯いていたんだが、

完全に母さんは本日の事故キス事件で勘違いした。


「何だ、相思相愛だったのね!」と。



俺は否定したが、母さんには分かってもらえなかった。


「ち、ちげーよ!」


アイリをチラリと見ると。


「来年のバレンタイン、今年までいつもギリチョコだったけど、本命チョコあげてもいいけど!」


と滅茶苦茶上から言われた。



「要らねーよ」と言い返した俺だが。


歳月流れて、

二月十四日。

俺は例によって体調を崩し、

家で寝転んでいたんだが、

アイリがお見舞いだと言って訪ねてきた。


手には、チョコ。


アイリ曰く、


「手作りなんだからね!

有り難く貰いなさいよ!」


と寝てる俺の目の前に差し出されたチョコを

見て。


俺は根負けした。


「付き合ってやってもいいぜ」


「な、何よ、ムカつく!その言い方!!」


暫し、口論になり、やがて

俺はトイレに行こうと起き上がろうとした。


その際、バランスを崩し、

あの、事故キス事件みたいな俺が上、

アイリが下、な

体勢になった。


「まさかのデジャブ....」


俺がこう、呟くと、アイリが

ニッコリ微笑んでこう言ったんだ。


「今日のは、もう事故キスじゃなくて、

マジなキスになる...?」


「お、おう!」


ありがたいことに。


母さんはこの日不在で。


心置きなく、アイリと俺は。

マジなキス、しちまったんだな!














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