第25話
今日は紅愛が用事で帰りが遅くなるので家には俺一人だ。何やら篠崎グループ関係のパーティーが開かれるようでそれに参加するらしい。久しぶりの一人の時間だがやはり紅愛がいないと寂しいな。
紅愛が作り置いてくれた夕飯を食べ終わり、リビングでくつろいで紅愛の帰りを待つ。まるで主人の帰りを待つペットみたいだ。
「……ただいま帰りました。蒼太くん起きてますか?」
二時間ほどして扉が開く音が聞こえたので、俺は体を起こして玄関へと向かった。ドレス姿の紅愛は見るからに疲れている様子だったが、俺の顔を見るなり満面の笑みを浮かべ、靴を脱いで抱き着いてきた。
「おかえり紅愛。パーティーは楽しめた?」
「いえ。今こうしてる瞬間の方がとても楽しいです。それよりも蒼太くん。お帰りのキスはまだですか?」
「えっ?あぁごめんごめん」
紅愛の顎を少し上げ、唇を合わせる。柔らかくしっとりとした唇の感触を味わいながらさらに紅愛の身体を抱き寄せる。
「んむっ♡んぅぅ♡……んあっ♡ありがとうございます♡これで元気が出ました!」
「それなら良かった。もうお風呂入る?沸かしてあるよ」
「はい!着替えを持っていくので先に入っててください。あっ、体は私が洗うのでお湯をかけるだけにしておいてくださいね?」
「分かってるよ。それじゃあ待ってるから」
紅愛を離し、俺は一足先に脱衣所へ向かった。
「ふぅ……」
さっとシャワーを浴びて、体の汚れを落とした俺は湯船に浸かり、息を吐く。この全身が入り切った瞬間がたまらなく気持ちいい。
「入りますよ〜」
「あ〜い」
程なくして紅愛が浴室に入ってきた。日常になりつつあるので特に反応はしないが、タオルくらいは巻いてほしいものだ。素っ裸は股間に響く。
けれども紅愛が気にしている様子は微塵もなく、淡々とバスチェアに座ってシャワーで体を流している。
「聞いてくださいよ蒼太くん。今日のパーティー、ずっと絡んでくる人がいたんです」
「…大丈夫だった?」
「いえまったく。あまりにしつこかったのでお父様に言って退席してもらいました」
明さんナイス判断。パーティー主催者の娘を口説く奴なんて退席させちまえ。
「蒼太くんから貰った婚約指輪を着けていたんですよ?もはや人妻を口説くことと何ら変わりありません。最低です」
「紅愛のドレス姿可愛かったからねぇ」
「まぁもうどうでもいいですけど。どうせすぐ忘れますしね……ふぅ。蒼太くん、失礼します」
「んっ」
俺は目を瞑って、伸ばしていた脚を左右に広げた。すると紅愛が俺の脚の間に収まるように湯船に浸かり、俺に体を預けてきた。なぜ俺が目を瞑ったか分かるだろう?目を開けていたら湯船に浸かろうとした紅愛の綺麗な尻が見えてしまうからだ。
紅愛が入ったのを確認してから閉じていた目を開ける。
「まだ慣れないのですか?」
「綺麗すぎて慣れる自信がない」
「……ふふっ♪私も同じです。お尻に当たるこの感触にまだ慣れてないですもん♡」
「……」
俺は悪くない。生理現象だからな。
「でもこれから慣れていけばいいだけですよね……いや待ってください。このまま慣れないでいただく方が蒼太くんの初心な反応も楽しめますしいいのでは……はっ!私天才ですね!蒼太くん褒めてください」
「紅愛は天才だね……よしよし」
「えへへ〜♪ついでにキスもお願いしますぅ」
「はいはい……」
さっきしたばかりなのにまたキスを強請る欲張りな紅愛と向かい合ってバードキスを何度も繰り返す。
「ちゅっ♡んむっ♡蒼太くんっ♡ちゅっ♡好き♡大好きです♡」
風呂の熱さと紅愛の甘い声による相乗効果で俺の頭は既に沸騰寸前だった。お互いが生まれたままの姿である事も加わり、もう歯止めが効かない。
俺の手が紅愛の胸へと伸びる。しかし紅愛の手がそれを阻み、触れることは無かった。紅愛が拒んだ数秒後にその事を理解し、我に戻った俺は目を見開いて紅愛を見つめる。
「はぁ♡はぁ♡はぁ♡お風呂は駄目ですよ…♡続きは……ベッドです♡私もしたいですけどお風呂ではのぼせてしまいます♡ここは我慢です♡我慢して我慢して……ベッドで解放しましょうね♡」
「え、あっ、はい」
珍しく紅愛に諭されてしまった。いつもなら俺が諭す側であるのに……
湯船の中で放心状態で固まっている俺とは裏腹に紅愛は湯船から出て体を洗う準備を進める。
「さっ体を洗いますのでどうぞお掛けください。私の体を使って綺麗に洗って差し上げます♡」
全身を泡だらけにした紅愛は妖艶な笑みを浮かべてそう言った。
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オリンピック始まりましたね。想像以上に日本の選手がメダルを取ってて驚いてます。コロナに気を付けつつ頑張ってもらたいですね。
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