第11話 絆 〜 Kizuna 〜

ある日の事だった。


和佳奈に呼び出され喫茶店で会う事にした。



「優羽、こっち」

「和佳奈、ごめん」

「ううん…大丈夫。急に呼び出してごめん」

「良いけど…」

「私…優羽に謝らなきゃと思ってて」


「えっ?」


「すぐには謝る事…出来なくて…嫌な思いさせてごめんなさい」


「和佳奈…」


「澪君の元彼女も傷付けてしまって…私…事情知らなかったから…澪君の事は確かに良いなぁ〜て思ってたけど…結局フラレてたんだろうな…澪君の事は多分、好きと言うよりも私の中では体の関係だけの存在だっただろうし…きっと傷付けてたと思う…」


「そっか…」


「…それよりも…相談なんだけど……潤平君……私の事……女として見てくれるかな?」


「えっ?」


「…私…潤平君の事……好きかも…」


「そ、そうなんだ」



まさかの恋愛相談。



「嫌な部分沢山見せてきてるし…愛想尽かされてんだろうなぁ〜と思って…いつも…4人で出かける事ばかりだし」


「二人で出掛けたいって言ってみたら?」


「えっ…?」



顔を赤くする和佳奈。




《えっ?顔を赤くする和佳奈って新鮮…可愛い…》



「む、無理だよ…二人きりは…緊張して…上手く話せないし」



《だけど、ここまで顔に出てるなら…案外、潤平君気付いているんじゃ…》



「そ、そうか…」


「うん…取り敢えず…今の関係は壊したくないし…」


「そうなんだね」




私達は話題を変える。



その日の夜。



「優羽?どうかした?」

「えっ?あ…いや…」

「隠し事なし!話してみろよ」

「…うん…和佳奈の事なんだけど…」


「和佳奈ちゃん?」


「うん。ねえ…潤平君…和佳奈の事…恋愛対象として見てくれるかな?」


「ないわけじゃないと思うけど?むしろ、アイツは視野に入れてんじゃ?どうして?もしかして…和佳奈ちゃん…」


「うん…好きかもって…二人きりで出掛けたいけど…緊張して話せないって…」


「そうなんだ。となれば…アイツ気付いているんじゃねぇかな?」


「えっ!?やっぱり…?」


「アイツ…洞察力半端ないから…多分、アイツにそれ言ったら色々と反応みて楽しむと思う。聞いてみようか?」


「えっ?い、良い!だ、大丈夫…」




澪は携帯を取り出し連絡する。



「もしもし、潤に単刀直入に聞くけど、和佳奈ちゃんの事だけど」


「和佳奈ちゃんがどうかした?」


「お前の事好きかもって…優羽に今日本音でガールズトークしてきたらしい」


「だろうな。薄々気付いてっけど…確信だな。今、お前、優羽ちゃんと一緒?」


「ああ」


「ちょっと変わって」



私は変わる。



「今日、和佳奈ちゃんと会ったんだ」


「うん」


「それで、ガールズトークして話してくれたんだ」


「うん」


「分かった。じゃあ…ちょっとレベルあげようかな?ちなみに、俺、和佳奈ちゃんの気持ち気付いてるから俺に任せて」


「うん…潤平君…和佳奈の事…お願いします」


「了解!」



 

そして、ある日4人で出かける事になったんだけど、私達は用事が出来た事にし、和佳奈と潤平君で出掛ける作戦にする。



「二人とも用事が出来たらしいから二人で出掛けようか?」



「えっ?二人で!?」


「うん。駄目かな?」

「いや…別に駄目じゃないけど…」

「たまには良いんじゃない?」

「…でも…」


グイッと引き寄せる潤平君。



「今日は、楽しませてあげるよ。和佳奈ちゃん」


「…潤平君…うん…でも…私…」


「もしかして…和佳奈ちゃん緊張する?二人で出掛ける事ってないから」


「…それは…」


「それとも他に理由があるのかな?」


「…それは…」


「和佳奈ちゃん、正直に話すけど、和佳奈ちゃんの気持ちは薄々気付いてるから」


「えっ!?」


「だから二人で出掛けて緊張するのも当たり前だろうし。それで、何処か行きたい所ある?」


「色々と突然過ぎて…」


「分かった。じゃあ適当に行こうか?」


「…うん…」




二人は出掛けた。






その後、二人の関係はゆっくりと仲を育んでいる。




そんなある日、4人で出掛けた時だった。



「和佳奈…変わったなぁ〜」



私は、潤平君と和佳奈のツーショットを見つめながら隣にいる澪に言った。



「そうだな…潤も和佳奈ちゃん変わったって言ってたから。アイツが言うから間違いないと思う」


「そっか…」


「優羽」


「何?」


「…いいや…何でもない…」


「えっ?何?気になるんだけど」



クスクス笑いながら



「気にすんな!」



「…………………」



私達は1日を楽しむ。




その日、別れ際――――



「じゃあ、帰るね」

「えっ?帰るのか?」

「うん」

「泊まってけば?」

「そうしたいけど今日は澪と一緒にいられたし、みんなと楽しい時間過ごせたから…ちょっと疲れ…」



澪が背後から抱きしめる。



ドキン



「澪…?」


「お前ともう少し一緒にいたい…」

「…どうしたの?」

「駄目か?」

「それは…駄目じゃないけど…」



向き合う私達。


いつになく優しい眼差しで見つめながら髪を撫で頬を優しく触れる澪。


私はいつもと違う澪に胸がドキドキ加速する中、澪は私に優しいキスをした。



「…優羽…」

「何?」



フワリと抱きかかえられベッドに乗せると私の上に股がると私の顔の横に両手を置いた。



「…抱いて良い?」

「えっ?」

「駄目?無理強いはしないけど」




私は澪の首に手を回す。




「良いよ…」



澪は微笑むと、洋服を脱いだ。



「実は、こういう事したくて引き止めたの?」


「それもあるけど、一緒にいたいと思ったのは、これとはそこまで関係ない。和佳奈ちゃんが変わったって言ってたから、そう言えば俺、優羽の事、最近見れてないなぁ〜って…」


「そう?」


「俺達、和佳奈ちゃんの事があったし時間和佳奈ちゃんにしか注いでなかったから。二人の時間ゆっくり、まったり過ごそう優羽」


「うん…」




私達は愛し合い1つになる。



「良く眠ってる」



私の髪を優しく撫でると澪はおデコにキスをした。




「…ん」

「悪い起こした?」



私は澪に抱き付く。



「…大丈夫…」



澪は抱きしめ返す。



「澪…?」

「優羽…結婚前提で付き合わないか?」

「えっ?」

「正直…俺…お前と一緒に住みたい…同棲ってやつ?」

「…澪…」

「ずっと一緒にいたいから…俺達…お互いの傷知ってるし、お互い必要としている関係だろうし」



私は澪の胸に顔を埋めた。



「私なんかで良いの?」

「お前以外いるわけねーじゃん!」



顔をあげると澪はとても優しいキスをした。


一旦、唇を離すと深いキスをし更に深く優しいキスをした。


私は、声が洩れる。



「…澪…」

「…優羽…」



私達は、再び愛し合い1つになった。





そんなある日、再び泊まった日。


ふと、目を覚ますと私の隣には私に背を向けた澪の姿があり、背中に顔を埋めると同時に左手の薬指にキラリと光る物があった。




「えっ…?これ…」




私は起き上がる私。



後を追うように澪も起き上がり、私の左手に触れながら背後から抱きしめるようにされ



「澪…これ…」

「本気で結婚したいと思ってる。優羽、これからも一緒の人生歩もう。俺の傍にいて欲しい」



「…澪…うん…」



私は澪に抱き付くとキスをする。


一旦、唇を離すと澪からもキスをしてくれた。




「優羽、愛してる」

「うん…私も愛してる…」




その後、私達は結婚をした。



潤平や和佳奈も正式に付き合い始めた。


私達4人は、永遠だよね。






〜 END〜


















  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

異性の恐怖~あなただけを~ ハル @haru4649

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ