第4話の2 カレンダーに記した想い(解答編)

「レッツシンキングって言われてもなあ……、なあヒントをくれないか」

「仕方がないなあ。まず第一にカレンダーに書き込まれただ」

「それは、なんとなくそうだと思ったさ。でも何を読むのかが分からない」

「第二に、今年のカレンダーでなくてはいけないという彼女からのヒント。これは、ということ。更に言うと、何月かは関係がない」

「つまり、①は2日(土)、②は3日(金)、③は6日(水)、④は3日(金)、⑤は1日(火)、⑥は3日(火)、⑦は5日(土)、⑧は2日(日)か」


 そう。あとは、これを文字に変換するわけだ。暗号の解き方は曜日と数字の対応、つまり

 例えば、①であれば土曜日を英語にすると、Saturday。その2文字目だから「A」となる。

 同様に、それぞれを見ていくと、②はFridayの3文字目で「I」。③はWednesdayの6文字目で「S」。④は②と一緒だから「I」。⑤はTuesdayの1文字目だから「T」。⑥はTuesdayの3文字目だから「E」。⑦はSaturdayの5文字目だから「R」。⑧はSundayの2文字目だから「U」。

 続けて読むと「AISITERU」。そう、「愛してる」だ。これはなんとしても、彼本人に解いて貰わなくては。

 

じっと、友人の様子を見ていると、ハッと何かに気づいた様子だった。どうやら解けたらしい。

「すまない、倫太郎。このお礼はそのうちに絶対すると約束する。だから……」

「ああ、彼女のところに行っておいで」

「ああ、恩に着るよ」

 喫茶店を慌てて出て行く彼の表情は、とても晴れやかなもので、私もすっかりドキドキしてしまっていた。きちんと自分の思いを口にしてこいよ。



 あれから数年たち、私の元に彼から出産の知らせが届いた。あれから2人は幸せな暦をいくつもめくってきたという。そして、これからは3人で幸せな日々を重ねていくのだろう。

 その傍らにあるカレンダーをめくりながら。

 

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謎解き!! 護武 倫太郎からの挑戦状 護武 倫太郎 @hirogobrin

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