第43話⁂樹里亜殺害を企てた張本人は一体誰なのか!陽介?⁂
実は陽介、母美智代と引き裂かれ山城家では地獄の日々を送っていたのです。
どうしても我慢できない時には祖父母宅に駆け込んでいっときの安住の世界に浸っていましたが、義母咲子からの度重なる言葉の暴力にホトホト疲れ果てていたのです。
離れ離れの夢にまで見て瞼を濡らす、愛する母を「未婚の母になるなんてとんだ阿婆擦れもいいとこだ!ふしだらな女だ!淫乱女!」
その挙句の果ては「お前の父はヤクザの血が混じっている!お前も一緒だ!極道もんが————!」
叔父勇が家に居ない事を良い事に、食事と言えば残り物の残飯ばかり食べさせられてお腹を壊したことも一度や二度じゃ有りません。
夏にはクーラーが取り付けられているにも拘らず、付けさせて貰えないのです。
付けようものなら「お前のような居候のただ飯食らいの疫病神が無駄な電気使うな!」
成績がすこぶる優秀な陽介にわざと点滅する蛍光ランプで勉強させ視力がすこぶる落ちた事もありました。
祖父母が達也と陽介を比較して咲子を「教育の不行き届き、咲子の教育が悪いからだ!」と嫁いじめをするのも陽介を虐める一因になっているのです。
それでも???酷すぎです。
勿論旅行などとんでもない話。
一度も行った事は有りません。
達也だけは連れて行くのです。
それでも祖父母だけは、優しい事この上ないものでした。
それに救われ、いじけずに真っ直ぐ生きる事が出来たのです。
又達也の酷い事は言うに及びません。
達也には散々泣かされどうしでした。
酷い事この上ないのです。
人間、自分の限界を超えた身体の痛みや、心の傷は蓄積されて、その恨みや憎しみは何十倍、何百倍にも膨れ上がり取り返しが付かなくなる事は往々にしてあるのです。
陽介の憎しみは2007年6月16日現在の、もう今から25年以上前の事なのに今尚その憎しみは消えません。
それどころか増幅されてその恨みは、割れんばかりに膨れ上がっているのです。
{咲子叔母さん俺の愛する両親を散々侮辱しやがって許せない!又達也には散々竹刀で叩かれ、今でも跡が残っている。それから俺の愛する弥生を力ずくで奪いやがって、尚且つそんなにも愛した女性に虐待まがいな事をして居るなど到底許せない!ざま~見ろ!俺を散々虐めたせいで赤ちゃんが出来ないんだ!いい気味だ!………なに~?子供が出来たって~?そんな者死ねばいい!それじゃ~帳尻が合わないだろう?あんなに俺は苦しめられたのに?お前達をどん底に突き落として破滅させたい!今に見ていろ!クッソ————!」
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