異形の少女*🌺＊✰⋆*

第38話⁂達也が樹里亜を！⁂

樹里亜は一体誰の子なのか？？？

一体誰がDNA親子鑑定を偽造したのか？それともあのDNA親子鑑定は正確な書類なのか？

それでもこの山城産婦人科では、まことしやかに陽介の子供だと言う噂で持ち切りなのです。

その噂を流しているのは、他ならぬ木村夫婦なのです。

悪い噂を流して陽介と達也を失脚させたい。

そんな事をしたら病院の評判がガタ落ちになるのでは？？？

いえいえそれには及びません。

この病院は貴理子の評判を聞きつけて通ってくる患者さんも非常に多いのです。

最近は双極性障害も酷くなる一方の達也、仕事らしい仕事もろくにせず、暴れまくり、威張り散らしてお金だけはしっかり取って行く、美味しい所だけ持っていく達也が目障りで仕方がないのです。

気分が高揚する時期と落ち込む時期を繰り返す“気分の波”は誰でも経験するものですが、気分障害のひとつ、双極性障害を抱える人は起伏の激しい気分の変化が周期的に交代して現れるのです。

今では病院も代替わりして、理事長の陽介が一番の権力者ですが、貴理子は病院きっての稼ぎ頭にして次期理事長筆頭の遥斗の実母。

現在24歳の非常に成績優秀な医学生遥斗という強い後ろ盾があります。

今現在は貴理子がこの病院の実質上の権力者と言っても過言ではありません

更には夫の木村も今となってはこの病院になくてはならない重要な存在。

あわよくば遥斗を盾にこの病院を我がものに……！

何の役にも立たない達也が目障りで仕方ない木村夫婦。

噂を流して達也に精神的打撃を与えて家庭崩壊させたい。

もっと言うなら躁状態の時に陽介の子供だと噂を流せばなおさらの事。

躁状態の異常なほど気持ちが激しく高揚する時期には、後先考えずに快楽的な行動に熱中。

又異常な浪費や性的逸脱行為などが現れる事も多いのです。

２０１６年もう夏本番を迎えようとしている今日この頃。

「クソ————！俺を騙しやがって！許せない！俺の子じゃないだと～？あの弥生にそっくりな美しい本物の樹里亜を無茶苦茶にしてやれ～！ああああ！悔しい！嗚呼アアアアアア！我慢できない！」

噂話を聞いてからは最近は夫婦は別々の部屋で別居状態。

自分の子では無いと確信した達也は異常なほど気持ちが激しく高揚して、夜中の妻弥生が眠っている隙に樹里亜の部屋に忍び込み欲望のままにパジャマを剝ぎ取り欲望に身を任せ樹里亜に飛び付きます。

「嗚呼アアア！何と美しい！ああああ！」

「ギャ————！パパ何するの————！」

樹里亜はパジャマをはぎ取られて半裸状態で逃げ回っています。

余りの悲鳴に目を覚ました弥生は樹里亜の身に危機感を感じて、慌てて樹里亜の部屋に直行。

「キャ———！貴方なんて事を！あなた樹里亜になんて事を酷い酷すぎる。それ以上樹里亜に手を出せばお義母さんに電話するから！」

「オイ！それだけは止めてクレ！お袋は今具合が悪いヤメロ————！」

その夜はそれで何とか治まったのですが、弥生は達也を到底許す事が出来ません。

それどころか｛この手でひとおもいに殺してしまいたい！｝とまで思うようになっているのです。

一方の樹里亜は父親と信じて疑いもしなかった達也に、欲望のはけ口にされたショックが大き過ぎて夜も寝れない日が続いています。

父親に対して深い心の傷が残ってしまった樹里亜なのです。

こんな諸々の事情が重なり父達也は殺されたのです。

それにしてもこんな残酷な事件ががあったのに何故樹にこの事実を話さなかったのか？

恥ずかしくて話せなかったのか？それとも父親殺しの犯人を知ってしまい、かばっての言動なのか？

そこには驚愕の真実が隠されているのです。