異形の少女*🌺＊✰⋆*

第33話⁂樹里亜の危機！⁂

梅雨に入り、花のように色とりどりの傘が街に開いております。

そんな梅雨本番を迎えた２００７年6月16日大雨の日に樹里亜は交通事故で昏睡状態に陥ったのです。

ですが、そこにはとんでもない秘密が隠されていたのです。

確かに樹里亜ちゃんは事故に遭い昏睡状態に陥りましたが？その３か月後の９月にはすっかり回復していたのです。

それでは何の問題も無いのでは?

実はもうかなり前から｛達也の子供では無い！｝という噂がまことしやかに囁かれ始め、その話はすぐさま達也の耳にも入り、天国から地獄に突き落とされた達也はショックの余りに更なる異常が出始めていたのです。

最近では幻覚まで現れだして「よくも俺を騙したな～！俺の子供じゃないだと——！許せない！俺の一番恐れていた事が現実になるとはどういう事だ、陽介が憎い！弥生が憎い！樹里亜の顔などもう絶対見たくない！クソ————ッ！殺してやる———！嗚呼アアアア！」夜中に暴れ出してそれはそれは大変な手が付けられない現状なのです。

そしてその矛先が樹里亜に向けられているのです。

いつ樹里亜ちゃんの身に危険が及ぶかも知れません。

危険を感じた弥生は樹里亜を連れて実家に帰っています。

そして樹里亜は実家から学校に通っていたのです。

２０１０年7月薔薇の花の咲き誇る庭で樹は軽やかに蝶のように飛び回る樹里亜を目撃しましたが、実は樹里亜は久しぶりに祖父母の家で家族に会えて嬉しくて嬉しくて飛び跳ねていたのです。

そこには当然達也はいません。

達也はうつ状態で眠り込んでいます。

その隙に陽介と弥生と樹里亜が豪邸で家族団らんを過ごしていたのです。

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一方の樹は２０１６年4月、数十倍の難関を潜り抜けて大手デザイン事務所百合工房にデザイナ－として就職出来たのです。

雑誌の挿絵や本の表紙といった出版物から、ポスターやカタログ、商品パッケージといった広告物、あるいはホームページに掲載されている挿絵などが主な樹の仕事です。

ある日、今どきの女子大生の日常生活をコミカルにデッサンしてくれと上司に催促されて私立の雄K大学付近の公園で女子大生を観察していると、何とあれだけ探しても見つからなかった樹里亜が雑踏の中から、ふと現れたのです。

「エエエエエエ————！あれだけ捜したのに？」

それはそれは美しい一際目立つ美しい樹里亜が現れたではありませんか。

｛でも？どことなく違和感が？｝フランスで見た樹里亜とは雰囲気は少し違いますが？それでも疑問に思い？？？

話しかけなくて後悔するより、どんな結果になろうと勇気を持って話しかけてみようと思い話しかけてみたのです。

「あの～不躾に話し掛けましてすみません。あなたは山城樹里亜さんですか？」

「あっ！ハッハイ！そうです。山城樹里亜です」

「僕はあの時のフランスで会った桐谷樹です。覚えていますか？」

「エエエエ————！会ってないです。あなたとは今日初めてお目にかかります。アアアア！確か父がフランスで知り合った男の子が居たとは話していたような？？？詳しくお話お聞きしたいわ～！我が家には秘密が多過ぎるから………？」

「じゃあ～！今度会って詳しくお話しするのはどうですか？それと女子大生の日常をデッサンさせて欲しいのですが？今度お友達も一緒に！モデル代はお支払いしますからお願いします。僕はこういう者です」

そして名刺を渡したのです。

「ヘエ～！大手デザイン事務所百合工房って凄いですね～！ええ！良いですよ！わたしも色々疑問に思っている事が有るので？」

実は樹里亜は樹に声を掛けられた時から樹の余りの爽やかなイケメンぶりに稲妻がビビビッと身体中を走り激しい衝動に駆られていたのです。

これは恋❕　💛💛💛