「ま…眩しい…ん？」

　私は、さっきまで座っていたソファーがなくなり、草木の生い茂る森の中で木に寄りかかりながら目が覚めた。

「さっきまでいつものように徹夜でゲームをしていたはずだが、そのまま寝てしまったのか。」

　やはり、休みの日の前日ともなるとハマっているゲームの辞めるタイミングがわからない。いや、正直に言えば不眠症が少しある。いつも寝る前に、本を読んだり携帯をいじたりしながら時間をつぶし寝落ちをするまで続けていた。今回は、明日が久々の休みということもあり昔買ってやることが出来なかったＲＰＧをプレイしていたはず。

「それにしても…ここはどこだ？」

　本人は気づいていないが昔のハードを取り出しゲームを始めた時、幸か不幸か異世界に転生してしまっていた。現実世界では、いわゆるブラック企業に勤めていた主人公の塚田（つかだ）　真（まこと）だったが、ひょんなことからゲーム世界に転生してしまうもゲーム世界では勇者として活躍する物語が始まる前の物語