第11話 再戦×ミルキー


 私は目の前の暴君に対して問いたい。

人は何故戦うのであろうかと...





 本日もまた、我がルミエール伯爵家でパーティが開かれる。


 私は祖父に問う。


「本日はミルキーお嬢様来ないですよね?」


 祖父ジョセフは高笑いをする。


「フィンはミルキーお嬢様が好きなのか?」


「いやいや逆です! あれは...人の皮を被った...暴君です!!」


「誰が暴君ですって?」


 ミルキーは徐に現れた。私は顔が真っ青になり、逃げ出す。


「ぎゃ〜出た〜」


「ほらほら〜逃げないと捕まえて悪い事しちゃうわよ」


 ミルキーはケラケラ笑いながら、追いかけてくる。


 こうなれば、魔法しかないだろう。


 私はネクタイを外して、第一ボタンも外すと唱える。


「転移魔法」


 所変わり、ここはニャン五郎の部屋である。


「ニャオ」


 ニャン五郎は私が来ると、頬擦りして舐めてくれる。


 私は現実から目を背けて、ニャン五郎と遊ぶ。


 すると、足音が聞こえる。

テクテク...どうやら誰か来たみたいだ。


 私はとりあえず隠れようと考えて、カーテンの裏に隠れる。


「あ〜猫がいるんだ〜」


 どうやら声からして、ミルキーの様だ。

私は口を押さえて、バレないように努める。


 ハァハァ〜! 大丈夫か? バレてないかな〜? 緊迫した状況だ。


「んでもって、カーテンに隠れているのは、フィンだな」


「うわ〜〜ッ!!」


 私はいきなり肩を掴まれた勢いでびっくりして、ミルキーのお尻を触ってしまう。


 バチン!!


「いやわざとじゃなかったんだ! ごめんなさい」


 私は深々と頭を下げた。しかし...


「反省が足りないようね! 悪い事をしたという自覚はあるの? いい! フィンは前から私に...」


 私はミルキーの説教に、イラっとした。

ミルキーに説教される筋合いはない。

私より性格がひん曲がってるからな! 


「ミルキー!」


 すると、ミルキーは不思議そうな顔をして、こちらを見る。


「なによ?」


「ミルキーってエッチだね!」


 バチン!!


 私は本音を言えた事と、ミルキーが怒った事で面白くなった。


「ミルキーエッチだね!!」


 パチン!!


「ミルキーエッチだね!!」


 バチン!!


「ミルキーエッチだね!!」


 バチン!!


 リズムが良く、何故か面白い。

私はケタケタ笑い出す。


 ミルキーは怒り狂いだした...

ゴボゴボ...また私はどうやら、お酒を飲まされて意識を失った。


 ーー目が覚めるとやはり、裸にひん剥かれて、柱に縛られていた。


「クソ〜あの女またやりやがった!」


 私はアルファを呼び、開放して貰う。

私は服を着ると、決意を新たにする。


 そう! 第三次ミルキー大戦のはじまりである。


 私は厨房にいく...あるよあるよ!

私は厨房にあった、とあるものを手に取り、

準備を整えた。


 やはり戦争とは兵器の差で決まると思うのだよ!


 ミルキーを探す。

窓際でどうやら私を警戒しているらしい。


 私はミルキーの背後に、転移魔法を使い現れた。


 私はミルキーの肩を掴むと、キラー台詞をいう。


「ミルキーは綺麗だけど、乱れた君はもっと綺麗だよ〜」


 そう言って、ミルキーの顔面にホイップクリームたっぷりのケーキを押し付ける。


 ペロリ! 


「甘いミルキー大好き」


 そう言って、私はケラケラ笑いながら逃げて行った。


「プハハハハ! 最高の気分じゃないか!」


 私はとある部屋のベッドの下に隠れた。


 最早パーティが終わるまでは、隠れ通す腹づもりである。


 ニヤニヤが止まらない...







 やがて、猫の鳴き声が聞こえてきた。


「ニャオ」


 ニヤニヤしてたら、本物の猫が現れて、ニャオじゃないよ! 見つかるからあっちへお行き! 


 どうやら、ミルキーはニャン五郎を使い、私を探し出していたらしい。


 私はとうとう意識を持ちながら、縄で柱に縛り付けられた。


「よくもやってくれたわね! 覚悟出来てるんでしょうね?」


「人はどうして争うものなのか? 争いなど無くなれば良いとは思わないかい?」


 バチン!!


 ゆっくりとミルキーにより服を脱がされる。


「ミルキー僕は初めてだから優しくしてね」


 バチン!!


 最早しばかれ放題だが構わない。

せいぜい足掻いてやるわ!


「ミルキーエッチだね!」


 バチン!


「ミルキーエッチだね!」


 バチン!


「ミルキーエッチだね!!」


 バチン!


 その日私は、二度も裸にひん剥かれて、柱に縛り付けられたのであった。


 ちょっと興奮したのは内緒である。

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