馬頭星雲

馬頭星雲から

漆黒の闇の馬が駈けて来て


荒ぶる体躯

筋肉の躍動

絹のたてがみ


俺に乗れ

そう言って聞かないから

恐る恐る背に跨がった


ビュウッ


疾風とはこの事か

突風とはこの様な物であったか


街を抜け 畑を横切り

馬はぐんぐん駈けて行く


断崖が目前に迫る

まさかこのまま飛び降りるのか?

私は思わず目を閉じた


ダンッ


崖を一蹴り

馬は天へと飛んで行く

天駆ける天馬

さようなら 地上


私はもう戻らない

星の世界の疾風になるのだ

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