第35話クズの作り方


「けんいちくん、止めよ」

亜美が再び震えた声で言った。

僕の興奮した脳は一気に冷めた


僕は、何をしてしまったのだろう

目の前で女の子が泣いている


亜美ちゃん?

いつも呼び捨てをしているのにこの時は「ちゃん」をつけていた


そして、また僕はキスをした

力が抜けている亜美をなんか可愛く感じていた

力が完全に入らなくなったのだろう

亜美は腰を落とした

それでも僕はキスをした唇、首、耳、乳首と

舐める様に


止めれない、何が最後か分からないから


どんどん外は暗くなっていった

亜美の顔が見えないくらい暗くなっていた

ようやく僕の頭が冷静になった


廊下の電気をつけた

亜美がとても小さく感じた。

僕よりも大きいはずなのに小さく感じた事を覚えている

立つことが出来ない亜美を見て腕を引っ張り肩をかした

何も、言わず僕は亜美を家まで送った。


とても暗くなっていた。


亜美が親に怒られてないかと思いながら僕は歩いていた

夜道は慣れているけど

今日はいつもと何か違った

鍵を開け

階段を上り、リビングで大の字になって天井をみていた

どれくらい見ていたのだろう

お腹も空かないから何時かも分からない


あの感覚はなんだろう

亜美が僕の名前を言っていることも

泣いていることも分からなかった

ただ、亜美にキスをしているのに

頭の中は「あゆみ」だった。


あゆみとやりたい

明日、遊びに誘おう

そして、家の中で遊ぼう

危険な遊びをしたい


何を参考にすれば良いのかわからない

でも、あゆみの力が抜けた所をみたい

時間が無い


3年生になってクラスが分かれてしまったら

もう、一緒に遊ばなくなるかもしれない

そう思ったら今すぐ「あゆみ」を僕のものにしたい

誰にも渡したくないと強く願った事を覚えている


明日、必ず言おう






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る