第29話  ブランコ


運動会が終わると一気に寒くなる

僕は、寒いのが嫌いだ

出来ることなら動物の様に冬眠をしたい


外が寒いからといって僕の行動は何一つ変わらないのだ


ランドセルを家に置き、僕は時間をつぶす為に散歩をする

もちろん、散歩だけでは無いが


以前なら、あゆみや亜美と一緒に遊ぶ公園の前を通った

すると、聞き覚えのある笑い声が聞こえた。


僕は、笑い声が聞こえる方を見た

そこには、ブランコで遊んでいる

あゆみと亜美がいた。


僕は、そのまま通りすがろうとしたが

身体は正直だった、ブランコに向かっていた


二人がブランコで遊んでいる所から斜め前に砂場があり

そこで、僕は腰をかけて二人を眺めていた。

きっと、二人とも嫌な時間だったに違いない


急に風が強くふいた


ブランコで速度が出ていた事もあり二人のスカートがめくれた

二人が同時に

「きゃー」と叫ぶ


僕は、見てしまった二人のパンツを

気まずい空気が流れたが

僕は、パンツを見たからといって

嬉しいとは思わない

姉の、下着すがたを見慣れているからだとおもう


ブランコは急には止まらないその間、

ずっと二人を見ていた


ブランコは止まり、二人とも何も言わず公園から出て行った。

僕は、あゆみが乗っていたブランコに座り

ブランコをこいだ


また、嫌われたかと思うと

もう、修復は無理なんだと思い知らされた出来事だった。


僕とあゆみは隣の席だったので

朝から気まずい時間が訪れた


その時


「ねえ?」

あゆみから久しぶりに声をかけられた

「別に、怒ってないよ私」

「亜美ちゃんは怒ってると思うけど」

「毎日、一人で寂しい思いをしているのは私も一緒だし」

「そこに、幼馴染の真奈美ちゃんが転校してきて」

「寂しそうに見えたんでしょ?」

「うん、見えた」

「そうだと思った、だって優しいから」

「私は、しってるよ優しいこと」

「でも、昨日の事はまだ怒ってるから」

「ごめん、どうすれば良いか分らなくて」


あゆみは、笑った

久しぶりにみた

やっぱり可愛いし僕みたいなクズの事を優しいと言ってくれる

あゆみの事をもっと好きになった。

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