第22話 イケナイ遊び


「真奈美ちゃん?」

僕は、おもわず聞いてしまった。

子供の2年は結構大きいものだ

保育園の時は色白でどちらかと言えば落ち着いているイメージの真奈美ちゃんだったが今は、誰からも好かれそうな笑い顔と元気がにじみ出ている


「久しいぶりだね、元気してた?」と真奈美ちゃんが大きな声で僕に問いかけてきた

一瞬にしてクラスの視線が僕に集まる感じがした。

急に、冷たい汗が流れ気分が悪くなる今すぐにでも外にでたいと思ったが出来なかった。


「大丈夫?すごい汗だよ、保健室行く?」

昔、良く聞いた優しい声だったけど真奈美ちゃんの顔は笑っていた。


心配している様な顔だと思えなかった少し恐怖を感じた。

僕は苦しいながら

「うん、ひさしぶりだね、元気だった?」とありきたりの言葉で返した時にはもう真奈美ちゃんはいなかった。


少しホッとした。


「真奈美ちゃんの事、知ってるんだ?保育園が一緒だったの?」

いつもの可愛らしい声が聞こえその方に首を動かすと

心配そうに僕をみている、あゆみがいた。

緊張が解けた

ふと思ったら

ちゃんと笑えるのは、あゆみ、亜美の2人の前だけだと改めて気がついた。

亜美が気を使ったのか分からないが

その日は珍しく亜美から一緒に帰ろうと誘われた事を覚えている


放課後になり、あゆみと亜美の3人で何時もの様に帰った


僕は、2人と別れて家まではちゃんと帰れた。


鍵をランドセルから取り玄関を開け様とした時に扉が開いた

どこかで見た様な顔がでてきた


「あら、久しぶり、元気だったかな?」

確か、真奈美ちゃんのお母さんだ

「また、一緒だね宜しくね」

「チューとかしちゃダメだからね小学生だから」

僕の返答を待つことなく言葉が沸きあふれている感じがした。

最後に、

「今日、真奈美とお留守番してて」

「よろしくね!」

その言葉を残し真奈美ちゃんのお母さんは玄関しめた


しばらくすると「おかえり」って聞こえた。

首をひねると母がいた。

お母さんこれから仕事だから夜ご飯はテーブルに置いていあるお金で何か買って2人で食べてね

珍しく母が居ると思ったが結局は仕事で居なくなる


僕は、ランドセルを置くために2階に上がった。

僕しかいない部屋に入る「ただいま」と言ってみた

いつもは言わないのに

今日は言ってみた

多分、家に着いたときの情報量が多かったからだろう


いつもの様に目をつぶり、時間を費やし気がついた時には

外が暗くなって台所に行って食べ物を探す

それが、僕の一日の流れだった


「おーーい」

「「おーーーい」」


この日は違った。


「お腹すいた」

「おきて」


びっくりした!

真奈美ちゃんが僕の身体を揺らしている

「やっと、起きた」

僕の頭はまだ起きていない

それに何で真奈美ちゃんが家にいるの?


真奈美ちゃんの顔が僕の顔に近づいてきた







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