第24話 決着! 紅い一撃だにゃ!

「――どっちの言うことも、お断りだにゃァァァァァァァァッッッ!!!」


 ローリエルは拳を堅く握りしめ猛然と疾走! ケルベロトゥースは、またしても予想外の展開に困惑!


「ば、馬鹿なァァァァァァァ!? お前――お前!! 弟子がどうなってもいいってのか!?」


「し、師匠……! ありがとうござい……ます! ゴフッ!」


「――なにがありがとうございますだにゃ、グラシア君! 一人で勝手に諦めてるんじゃないにゃ! 君は絶対に助けるにゃ! 今は弱いかもしれないけど、これからすっごく強くなる予定だって、絶対に強くしてあげるって言ったはずだにゃ! ――だからこんなところで死ぬんじゃないにゃァァァァァ!!」


「や、やめろォ! こっちに来るんじゃねェェェェェェェ!」


 困惑! 混乱! ローリエルの行動、言動、その意味が一切理解できないケルベロトゥースは恐慌きょうこう状態に陥っていた! もはや何が正しいのかすら分からない! なにが正解か分からない!

 彼がするべきは人質を棄て、チャック・オブ・トゥースで亜空間に逃げることだったが――彼はもう、正常な判断ができない!


 ケルベロトゥースにとって最後の頼みの綱は、グラシアの周囲を取り囲む爆風型地雷! もしローリエルがその存在を忘れ、迂闊にも巻き込まれてしまえば――!! だがそんな願いも虚しく、ローリエルは高く跳躍! 空中で連続サマーソルト! あまりにも凄まじい回転速度! ゆえに攻撃のモーションが一切予測できぬ、見えぬ、分からぬッッ!! 盾を、弟子という盾をどう構えればいいのかすら、ケルベロトゥースには、もう――!!


「絶酔魔拳奥義――! 燧石業魔火炎槌ついせきごうまかえんついだにゃーーーッッッ!!」


 脳天直下ッッ!! ケルベロストゥースの頭頂部めがけて絶酔魔拳の一撃が炸裂ッッ!! 全体重を乗せた、ローリエルの右肘が突き刺さるッッ!!

 やがてケルベロストゥースから燃え盛るような火炎がほとばしり――紅蓮の業火が全身を包み込んでゆく……!!

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