第11話 結婚の報告はいつするの?

 瀬戸美月は困っていた。悩んでいた。

 仕事から帰って来た夜。

 早乙女健司に相談した。


「健司さん・・実は困っていまして」

「ん?どうしたの?」

「職場に住所が変わったことを申請しなければいけないんですが・・」

「そうだね」

「世帯主も記入しないといけないんです・・・・」

「あ・・・」

「職場・・というか、上司に結婚の報告っていつしたらいいんでしょう・・・」


 そうか。

 引っ越しをしたら、住所変更が必要になる。

 通勤費などの問題があるから、申請しないわけにはいかない。


 健司の場合、世帯主は同じだから問題ないが・・・

 美月の場合、世帯主として健司の名前を書かないといけない。


「ということは・・もう、上司に報告しないといけないわけだ・・」

「やっぱりそうですよね・・」


 結婚式の日程など、全く決まっていない。

 そんな状態で上司に報告はしにくい。

「でも、身内だけで結婚式をやる予定で、日程は検討中ってことで報告するしかないか」

「はい・・わかりました。明日にでも、上司にこっそり報告します・・」

「うん、俺も上司に報告するよ」


 結婚式について、全く決まらないうちから職場に報告しなければならない。


 でも、仕方ない。

 結婚より先に、新居に引っ越してしまったのだから。

 やっぱり、結婚は順番をちゃんと考えないといけないのだろうか。


 いまさらながら、頭を抱える健司だった。

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