第6話 キマの夢

「おはようございます。本日も張り切りましょう!」

営業してから二日目…頑張ろう。


「あの…失礼します…」                         初めてきたお客様のようだ。

「おはようございます。なにか、気になるものはございましたか?」

「いえ、その…今度、おばあさんが実家に帰ってくるので少し綺麗にしたいなと思い、新しいワンピースが欲しいなと…」

「そうですか。それではどのような型が良いですか?」

「えっと…」


しばらく、色々話してユヤに報告に行く。

「はい!では、頑張りますわ。」

頑張ってね。もう少しお客さん欲しいな…


「それで、おばあさんはどこに住んでいるのですか?」

「えっと、王都周辺です。」

王都周辺…これは、嬉しい。

「最近、王都で、強盗など治安が悪くてこっちに移ろうか悩んでいるみたいなんです。」

「どうして治安が悪いんですか?」

「私が色々な方から、聞いた話だと、国王に仕えている大臣が、悪いことをしているみたいで…あわよくば、王座をと、狙っているらしくて。そのせいで、国王の家族達は、毒を盛られた方も…。死んでしまった方もいます。でも、国王が大臣のことを信用し過ぎていて。本当に大変なんです。」

「大変ですね……」

「ほんと、そうですよ。今、国は崩壊しかけている。どうしてくれるんですかね……」

「そうですね……」


〜夜〜

「結局、今日は1人か……もうちょっと情報あったらいいのにな……」

ほんとうに、どうしてここまでも運が悪いのだろか……


そんなことを、考えていた時だ。

「キマさん、情報って何ですか?」

突然、ユヤがきた。

「え、そんなこと言ってないよ?」

「いいえ、言ってましたわ。私と出会った時に言ってた話も有りますし、何か目的でもあって生活しているのですか?」

まずい、これは……

「何かあるなら教えて頂きたいです。私の恩人なんですから。」

「これは、これは教えられない……」

「私は、口が固いです。どんなことでも、人に言いませんし、幻滅もしません。」

ここまで言われてしまうと断りにくい。

「でも……」

「教えてください。恩に報いたいんです。」

ここまで来るならばもう、言ってしまおう。


「僕は、今の王家に、殺された前の王家の子孫なんだ。生き残りだ。」

「そう、なんですね……それが何かあるのですか?」






「僕は今の王家を、滅ぼそうとは思っていなかった。だけど、今は国が傾きかけている。こんな国王に国を任せられない。

そう僕は思って、今の国王を辞めさせて、僕が王になろうと、そう思っているんだ。」


とうとう言った。これでユヤがどう行動に出るのか……

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ポンコツお嬢様としっかり者のイケメンの話 かん @kanna08

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