第3話

回想から現実に戻り、俺は

先輩に抗議した。


「いや、それ、俺の元カノですよ。

喧嘩別れしたんです。見ず知らずの美少女と

事故キスしたのをマジキスだと勘違いしやがって、口論の末、俺、殺されそうになったんですよ」


「向こうも嫌がる筈です。

今すぐ、その見合い、中止しましょう」


「いや、それがな。

もうセッティングは完了済だ。

向こうはおまえの名前を聞いて了承したんだ」


「ええー、そんなことあります?」


「とにかく、今週の日曜日に目白にある高級料亭に行けよ。時間は午後の14:00。

一番、いい個室取ってやったんだから」


「あ、ちょっと...」


「費用はどの位かかるんです?

一応、早めに聞いておきます」


「個室料と、季節の懐石のコースで

マヒロちゃんの分もお前が払うからー。

三万!!」


「さ、三万...!!」


「よ、予約キャンセルしましょう!

てか、見合いの取り止めをしましょうよ!」


「バカ!社長が贔屓にしてる料亭なんだ!

是が非でも行けよ」


「そ、そんな...」


俺、今月、家計がピンチなのに。


痛い出費だった。




さて。


時流れて。


元カノとの見合いの日が来てしまった。

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