第14話 花火

 導火線は木桶から出ていて、火花はそれを伝ってパチパチという音とともに移動していく。


 その火花は草むらの中に入っていき、見えなくなる。

 しかし・・音はかすかにしている。


 パチパチ

 パチパチ



 そして・・草むらの中から急に・・・


 シュポン!!

 ヒュルルルル~~~



 煙をまといながら上空へ飛び出していく何か。





 そして、それは上空でそれは轟音を上げた。



 ド~~~~~~~ン!!



 昼間なので、煙が広がるのみ・・・とおもいきや

 紙吹雪のようなものが広がって降り注いでくる。


 帝国初  というか、この異世界初。


 打ち上げ花火が上空で花開いた瞬間であった。


 いまだかつて見たこともないもの。

 全員が、口をポカンと開けて上空を見上げている。





 藤島は、ハッ!と気づいた。

 夜ごと、どこかに消えていったエリザベス。

 これは彼女の仕業に違いない。


 エリザベスの方を見ると、口に両手を当てている。

 ただ、手の陰から見える、口角は・・・吊り上がっている。



 笑っている。



 そして、彼女は他の全員と全く異なるところを見つめている。

 エリザベスは、。 



 藤島も、エリザベスの視線を追って地面を見る。



 そこには、さらなる導火線。

 何本かの導火線の上を火花を上げて進んでいた。



 藤島は気づいた。

 この花火は、みんなの視線を上空に集めるための物。

 本当の狙いは、この導火線。



 そして、その導火線の火花は・・・

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