ボクの彼女はモテるんです…

立花 魁

第1話 ボクと夏萌の関係

〜中学3年冬〜


 「ねぇ〜優斗!!ちょっと待ってよ−!」

 この毎朝ニワトリのように鳴く女は、ボクの幼馴染の夏萌だ。夏萌はボクと違って友達も沢山いて人生を謳歌している。俗に言う陽キャだ。本来ならボクと一緒にいるはずがない人だ。ボクなんていつも陽キャの人達に教室にいることさえ気づかれない。まあ気づかれない方がボクにとっては平和で感謝したいくらいだ。

 「優斗〜!ムダなこと言ってないで早くしないと遅刻するよ!」

 いつも通り教室の前に着くと隣のクラスの夏萌とは別れる。そして、ボクの静かな日常がはじまった。

 そして、気づくとお昼休みになっていた。教室の外から、

 「優斗ごはん一緒にたべよ〜」

これは夏萌の声だ。お昼休みになると毎回夏萌が来る。嬉しいけど少し嫌だ。なぜなら影キャのボクが陽キャの夏萌とごはんを食べることは、ほんとは許されない行為だ。他の人からの目がとても痛い。ボクがそれを気にしてることは夏萌には隠しきれない。

「まーた変なこときにしてるんでしょ〜!そんなこと気にしない気にしない!」

夏萌はいつも気にかけてくれる。そんなとこが好きだ。

 ある日、ボクと夏萌は遊ぶ約束をしていた。ボクが密かに心に決めていたことがある。それは、夏萌とずっと一緒にいたい。それを伝えることだ。




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