8話


「えー。これよりホームルームを始める。


先ずは何を話そうか……。

そうだな、サラっとこの学校の説明でもするか」


 一時限目はホームルーム。

 前に立った教師が話し始めた。


「この学校は特殊でな、能力別にクラス分けをするんだが、まだそのテストをしていないだろう?」


 教師のその言葉に皆が頷く。


「だから明日、一日かけてクラス分けテストを行ってもらうんだ。

普通そういうものは入学前に済ませるものなんだがな、いかんせん異能学園は一年を通してイベントが多く、試験の暇が無いんだよ。

だから年の始めにやってしまおうと言う訳だな」


 ふぅん。明日かぁ。

 きっと蒼炎サンはどれくらいの力を出そうか悩んでるんだろうなぁ。


「詳しい話は明日の朝に説明するから、よく聞くんだぞ。

とまぁ、試験の話はここまでにしよう。次は行事の話に移ろうか」


 行事!

 何するのかなぁ! ずっと憧れてたんだよね、こういうのって!


「パンフレットを読んだやつは知っていると思うが、一番最初の行事は一学期にある文化祭だ。

目的は団結ではなく、クラス交流の為で、五日間開催してもらう。客は生徒のみだ。

ちなみに一般人も来る文化祭は三学期にある。

ここではクラス交流ではなく、クラス内の団結力と一般人を楽しませるのが目的だ」


 黒板にカツカツと文化祭の主な説明が書かれていく。


「そして二つ目は闘技大会。これも一学期と三学期、どちらにもある行事だ。文化祭と同じように目的は二つあり、一学期の闘技大会は実力を測るためのもの。三学期は一年間でどれほど強くなったか、それを大衆に披露する場だ」


 なるほどねぇ。

 それだけ教育に自信を持ってるって事なんだね。


 ……それにしても、その大会なら人を殺しても良いのかな? あとでアキちゃんに聞いてみよっと!


「今説明したのが大きな行事だな。他には二学期の修学旅行は勿論、一学期に強化合宿などもある」


 修学旅行……?!

 ボクには一生縁のない言葉だと思ってた……!

 ほんと、蒼炎サマサマだね!

 ん、でも多分自分から学校に来たわけじゃないと思うから、強いて言うなら感謝するのは蒼炎サンを学校に通わせるって決めた人だね!

 ちょっと遠回しだけど。





 それから定期テストなど、一年を通しての行事の話を聞いていたら一時限目が終わった。


 確か次は異能学の授業だったか。

 今回は能力の概要とか話すのかな? ボク、異能学得意だから楽しみだな!

 アソコにいた時も異能学が一番成績高かったしね。





「こんにちわ〜。異能学担当のまりあでぇす。全学年の異能学を担当しているのでこれからもよく絡むと思うので、よろしくお願いしまぁす」


 教室に入ってきたのは白いスーツを着た巨乳の美女だった。

 彼女は大きさが顔と大差ない……いや、顔よりおっきいかも? ……まあ、彼女は今にも溢れんばかりの乳の谷間を惜しげも無く曝け出している。

 ピチりと着こなしたスーツが逆に体のラインを強調していてとても官能的だ。

 男女関係なく、クラスの生徒の殆どがその吸い込まれるような白い肌谷間に目を奪われている。


 ボクはそこまで女の体に興味はないなぁ。

 環境のせいで余裕が無かったってのもあると思うけど、どうしても体って魂の依り代であるただの肉塊って考えちゃうからあんまり興奮はしない。

 なんせ、ボクが興奮するのは人間の魂が消滅する瞬間なんだから!


 ……まあでも蒼炎サン以外皆あの人に釘付けになってることだし、キャラ的にボクもじっと見つめとこ。



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