3話
─────「以上がこの学園の説明だが……分からないことがあるやつはいないか?」
回想が終わったところで丁度説明も終わったようだ。
「いなさそうだな。
じゃあ解散だ。早めに寮に帰れよ」
そう言って担任は教室を出ていった。
ボクはまだあの人の名前を知らないんだけど。
第一異能学園に限らずどの異能学園でも全寮制だ。
門限があり、その時間を過ぎると寮に出入りが出来なくなる。
理由は異能の応用の仕方を覚えた学生達が迂闊に外で使わないようにする為の予防策だそうだ。
まあ外出は外出届を出せば自由らしいが。
それってもうあんまり変わらないんじゃ?
いや、問題を起こした生徒を特定しやすくなるか……
「寮、一緒に行かないか?」
考えていると龍真がそう話しかけてくる。
周囲を見るとまだまばらに生徒が残っていた。
いずれももう支度を始めている。
勿論ボクには彼の誘いに乗らない理由はない。
「おう! 行こうぜ!」
ボクは席を立ちスクールバッグを肩にかけた。
と、その時。
バンッ! という効果音と共に扉が開かれる。
「弥生! どういうことだ?!」
勢い良く入ってきた彼は、ボクがよく見知った青髪青目のイケメンだった。
クラスに残っていた皆が突然現れたイケメンに驚いた目を向ける。
「どしたん、アキ」
キャラに合った呼び名に変えて呼ぶ。
それにアキちゃんは答えた。
「おい、なんでアゲハがここにいるんだよ……?!」
「はぇ? ……え、アゲハって言ったか? は、嘘だろ……?!」
一瞬素が出かけたがなんとか持ちこたえる。
今はアゲハの事だ。
「弥生が教えたんじゃないのか?」
「いやいやいや
ボクはあの人を学校に呼んでない。
仲は……まあ良いんだけどね。
彼女は時々やりすぎるところがあるからちょっと大変なんだよなぁ。
「あー……ちょっと憂鬱だなぁ……」
ボクが頭を抱えたその時
ガラッ
教室の扉が開いた。
入ってきたのは黒髪を腰まで伸ばし、お姫様カット&前髪ぱっつんの仏頂面の美女だった。
名は、アゲハ・ミネラーヌ。
ボクの数少ない友人の一人である。
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