限りなく現実に近いファンタジー。それはまさに大河ドラマのように。

読み応えが凄い。
この作者様の他作品を読んでも、細かな設定に驚かされます。
異世界大河ドラマと銘打ってありますが、まさに異世界で繰り広げられる歴史大河ドラマ。

『うつけ者』を演じる王子が戦争後の混乱期、またこの後の降り掛かる戦乱をどう乗り切り革命を起こすか?
共通規格を法律的に通すなどファンタジーでありながら、切り口はリアル。
思わず「うまいな!」と唸りながら読んでしまいます。
この辺り作者様は本当に上手ですね!

ファンタジーの世界に「民主主義」という極めてリアルな政治形態がどうマッチするのか疑問でしたが、主人公が一つ一つゆっくり理解していく様も素晴らしい。
本来であれば「国造り」=「政敵の暗殺」
これが簡単で近道なのですが、安易にそれをやらない。
言論統制、民衆の弾圧、政敵の収監。
100年前と何ら変わらずこんな事が当たり前に起こっている現代。
そんな事してる方々には見習って欲しいですね(^_^;)

国造りをする物語が好きな方はぜひ読んで下さい。